中国の衛生部(省)が12日、山東省で新型インフルエンザの感染疑い例が出たと発表した。
19歳の呂さんが山東省済南市伝染病病院で隔離されている
患者は呂という19歳の男性で、カナダに留学中。エア・カナダAC029便で7日にカナダを出発して8日午後2時30分に北京に到着。11日午後に発熱を感じ、自分で体温を測ったところ39度だったという。同時に喉の痛み、頭痛などの症状が出た。
19歳の呂さんが山東省済南市伝染病病院で隔離されている
呂さんは同日午後7時25分、D41列車に乗り午後10時35分に山東省済南に到着した。呂さんは列車内で済南市疾病予防抑制センターに連絡し、済南到着後、ただちに隔離された。治療の結果、男性の状態は、やや落ち着きをみせているという。
19歳の呂さんが山東省済南市伝染病病院で隔離されている
エア・カナダ機乗客で、追跡の対象になっている人は32−38列、D41列車では7号車の乗客ら。
中国では11日、米国から成田空港・北京を経由して四川省成都に到着した30歳男性がインフルエンザ様症状を示し、同国本土での新型インフルエンザ感染の第1例であることが確認された。
胡錦涛国家主席はこれを大いに重視し、11日、重要な指示を下した。胡主席は、現在、新型インフルエンザが依然として一部の国や地域で蔓延しており、中国でも初の感染例が確認されたことについて、われわれは大いに重視すべきだと強調した。また、「指導をいっそう強化し、対応の諸作業に引き続き力を入れ、科学的かつ効果的な防止措置をとり、中国での感染拡大を全力で阻止し、人々の健康と生命安全を確保しなければならない」と強調した。
同時に、国務院(政府)の温家宝首相は昨今、国務院常務会議を招集し、予防措置の更なる強化を研究した。
一、当面、第一に重要な任務は順法に出入国検査、検疫を強め、脆弱な分野を固め、全面的に各措置を実行に移すことだ。
二、さらに疫病感染情況への監視報告を強化、厳格に疫病感染情況に関するゼロ報告制度を実行、「早期発見、早期報告、早目に隔離、早目に診断、早目に治療」を確保、予防・制御活動の透明度を高める。
三、密接にグローバル疫病感染情況を見定め、国際間の交流と協力を強める。
四、技術と物質備蓄を強化する。中国ワクチンの研究開発と生産を速め、現有と新規生産能力を利用してワクチンの生産と備蓄を推進、抗ウィルス薬の備蓄を増加させる。
そのほか、四川省を視察中の李克強副首相は温家宝首相の委託を受け、中国共産党中央、国務院を代表して病院に赴いた。李克強副首相は新型インフルエンザ患者、医療従事者、医学観察を受けている人を見舞い、胡総書記と温首相からの配慮と慰問を伝え、四川省と成都市の新型インフルエンザの抑制状況に関する報告を聴取し、治療、予防、抑制作業を視察した。
(編集:章坤良 写真:新華社)
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