中国衛生部(省)は10日夜、米国留学中で中国に帰国した包(30)という四川省の男性が、新型インフルエンザ(H1N1型)に感染している疑いがあることを明らかにした。中国本土では初の疑い例になる。
11日までに感染した人の数は30の国と地域で4600人を超えた
包氏は米国の大学に通っており、7日、米セントルイスからサンパウロ経由で東京に到着。翌8日夜、成田空港発のノースウエスト航空029便に乗り、9日未明に北京に到着。同日午前10時50分発の四川航空8882便に乗り四川省成都に到着した。
包氏は北京からの機内で発熱やのどの痛みなどを訴え、成都の病院で診断を受けた。包氏は現在、感染症専門病院で隔離治療中。衛生省は世界保健機関(WHO)などに事実関係を通報するとともに、男性と密接に接触した旅客らの追跡調査も進めている。
新型インフルエンザは11日までにアメリカで新たに278人の感染が確認され、感染した人の数は30の国と地域であわせて4600人を超えた。
中国衛生部が昨今、発表したところによると、「世界中で新型インフル感染者数とその国の数が増加している」と述べた上で、今回の新型インフルに対して予防と監査に当たっている専門化チームの対応策として「海外からは検疫を強化し、国の境界での予防を徹底して行う。また、国内外を問わず、感染の可能性がある病例を発見次第、早めに措置をとる」としている。
中国衛生部は「新型インフルエンザ(H1N1)の病例に関する救助活動の実施法」と「新型インフルエンザの診療方法(2009年試行第一版)」を発行した。その中で、各省、自治区及び直轄市は新型インフルエンザの集中治療の病院をあらかじめ決め、各救急センターがその医療活動の運営を担当するとしている。
一方、 国家漢方管理局はこのほど「A型H1N1インフルエンザ(新型インフルエンザ)予防漢方処方」を発表した。
同管理局は現在の海外の感染者についての認識と古今の文献を結びつけ、A型H1N1インフルエンザ感染の特徴に基づいて処方した。これには生活面の予防、飲食面の予防、医薬面の予防の三つがあり、さまざまな人たちについて、それぞれ詳細かつ簡単で実行しやすい漢方処方を示している。
それによると、生活、飲食面の予防では、着ている衣服を適時に増やしたり減らしたりして、寒暖に対応する。飲食は適時、適量、適温を守り、刺激物は減らす。仕事と休息については規則性を持たせ、よく動き、早く寝る。心のバランスを保つ。インフルエンザに対する恐怖心は気の機能を乱れさせ、かぜをひきやすくなる。このほか飲食はあっさりしたものにし、脂肪の多い、味の濃いものを少なくし、簡単でおいしい薬膳にすると、インフルエンザ予防に役立つ。
医薬品による予防では、人の特徴別に詳しく生薬の処方を示している。虚弱体質でかぜにかかりやすい人は太子参10グラム、蘇葉6グラム、黄キン(くさかんむりに今)10グラム、牛蒡子10グラム、顔が赤く、口や鼻が乾燥する人は大青葉5グラム、紫草5グラム、生甘草5グラム、顔色が悪く、腹部にいつも膨張感のある人は蘇葉10グラム、佩蘭10グラム、陳皮10グラム、のぼせやすく、息がすっぱい臭いのする子供はカク(くさかんむりに雨にふるとり)香6グラム、蘇葉6グラム、銀花10グラム、生山サ(きへんに査)10グラムをそれぞれ清水で煎じて毎日1服、服用する。
「処方」は次のように強調している。服用期間中、老人は医師の指導に従い、量を適切に調整する。慢性疾患のある人や妊婦は慎重に服用する。インフルエンザ予防の漢方薬は長期服用に適しておらず、一般に3―5日とする。服用中または服用後、気分が悪くなった場合、直ちに服用をやめ、直ぐに医師に相談する。これらの漢方薬に過敏な人は使用してはならない。過敏体質の人も慎重に服用する。いわゆる秘法や偏った処方を信じてはならない。
(編集:章坤良 写真:東方ネット)
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