（１）競技の歴史

　ホッケーの起源は紀元前2500年以上前に遡るといわれる。古代エジプトのナイル川流域で見つかった壁画にはすでに曲がったスティックと丸いものを持って遊ぶ人、つまりホッケーをする人々の姿が描かれているそうだ。また紀元前1000年ごろのエチオピアにも、その原型を見ることができる。またコロンブスが新大陸を発見する何世紀も前に、南米のアズテック・インディアンがホッケーをしていたことも分かっている。近代ホッケーは19世紀半ばにイギリスのクリケットから派生したもの。試合が出来ない冬場に始めたのが、その起源だという。

　1871年、世界最初のホッケークラブが結成され、1886年にはロンドンにホッケー協会が発足。それまで様々なクラブチームが独自のルールで試合を行っていたが、統一組織の発足を機に、ルールも統一された。ホッケーという名前の由来はフランス語で牧羊者の杖の意味を持つhocquetだという説がある。

　オリンピックにホッケーが登場したのは1908年の第4回ロンドン大会。ここにはイングランド、アイルランド、スコットランド、ウェールズ、ドイツ、フランスの6カ国が参加し、イングランドが金メダルを獲得した。その後、一旦、種目からは省かれたものの、1920年の第7回アントワープ大会で復活。しかし、続く1924年の第8回パリ大会では、「国際連盟を持たないスポーツの参加を認めない」という方針により、大会参加が認められなかった。これがきっかけとなり、その年に国際ホッケー連盟がパリで発足した。

　なお女子ホッケーが正式種目に加わったのは1980年第22回モスクワ大会から。

　（２）中国におけるホッケー

　中国勢は特に女子がアテネオリンピックでも4位入賞を果たすなど世界トップレベルの力を持つ。アテネでは初戦、日本と対戦し3ー0で勝利した。その後、快進撃を見せた中国女子は準決勝でドイツと対戦。惜しくもＰＳ戦（サッカーのＰＫ戦にあたる）の結果、3ー4で敗れたものの、実力を見せつけた。なお、大会ではそのドイツが優勝。北京五輪ではアジア初の金メダルが期待される。