60年代生産大隊の壁に掛かられていた新聞に故毛沢東・共産党主席の像や、毛沢東語録の歌声がレストランに響きわたっていたー。(ハルピン=章坤良 写真も)
中国東北のハルビンと鶏西市のレストランで地元の経営者が中年層のお客さんのレトロ情緒を引き起こすという、集客の手法を二回経験した。
それだけでなく、東北でもっとも人気を集める「東北二人転」もレストランの一角に登場し、お客さんの食欲をあおった格好だ。
「東北二人転」は“跳跳”とも言われる。東北地方で広く行われている民間芸能で、伴奏に合わせて男女ペアで踊りながら歌う。漫才のような掛け合いや面白い動作もある。
聞くところによると、「東北二人転」は既に三百年余りの歴史があり、長期にわたって、東北民衆の大きな好評を得ており、特に農民の多くが大好きだ。民間で“一回ご飯を食べなくても、二人転を見なければならない”という言い方は広く伝わっている。
改革以来、“二人転”を演じる役者達が手に持っているものは、花柄の傘、薄手のスカーフ、長い繻子と増えた。客たちは、レストランでたくさんの場面を見ると、東北庶民の生活レベルが向上しつつある一方、商売力も南の上海に負けないものだ、と感心する。
「中国は経済成長を続けるための国策実施地点として、まず珠江デルタ、長江デルタに丸をつけた。次こそと思ったが三つめを西部につけた。そして今ようやく、四つめの丸が東北についた」―。
東北にある幹部のこの自信たっぷりの話を聞いて、東北好きの筆者は「東北振興日」が早めに来ることを願う。
関連記事:「自然保護をしなければ」 東北紀行(連載6)
Xト
|