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日本式イノベーション=匠の技?――在上海日本総領事·片山和之氏が解説

2015年 12月 3日14:03 提供:東方ネット 編集者:曹俊

今後は時代に合わせて発展

片山総領事「今後も、日本の製造業が有する高い技術と生産能力が変わらないとしても、中国を始めとする外国企業が技術を高めるなかで、更なる発展には、時代の変化を正確に読み取り、対応することが必要です。自動車産業を例に挙げれば、日本の技術力は世界でトップレベルです。しかし、電気自動車はエンジン自動車と比べるとすりあわせが必要な要素が少ないと指摘されており、将来的に電気自動車がエンジン自動車に取って代われば、嵌め込み型で自動車が製造されるようになるかもしれません。その際には、日本の自動車メーカーが持つ優位性は失われ、電機部品の扱いに長けた電機メーカーが自動車産業をリードするようになるかもしれません。日本の自動車産業が引き続き発展を続けるためには、そうした時代の変化に適切に対応していくことが必要です。」

技術と市場、バランスが重要

  技術提供は、日系企業の現地化の一形態だ。技術提供と市場獲得は相反する面があり、二者をいかに均衡させていくかという点が重要になる。

  片山総領事「中国には13億人の巨大市場があり、日本には複数分野で高い技術があります。中国から見れば、自国や自国産業の発展のために日本や海外の優れた技術を学びたいと考え、外国企業の市場参入に際して、技術の提供を希望しているわけです。日本は、様々な分野で世界最高の技術を有していると思っていますが、長い時間と費用をかけて磨いてきた最高の技術を中国企業に提供してしまったら、自らの優位性が失われます。また、技術差が小さくなれば、中国企業の技術が日本企業の技術を超えてしまうこともあるでしょう。しかし、中国の消費者も成熟してきており、進んだ技術を全く提供しなければ、13億人の市場でビジネスを行うことができないばかりか、技術移転の最も良いタイミングを失ってしまい『宝の持ち腐れ』になってしまいます。日本企業を始めとして、優れた技術を持つ海外の企業はこうしたジレンマを抱えており、技術提供と市場獲得について、日々その最適なバランスを模索しています。」

  いずれにせよ、大きな方向性でいえば、中国の巨大な市場において、日本の企業が長い時間と費用をかけて磨いてきた技術をどのように活用し、中国市場でのビジネスを発展させていくかが重要である。

(曹 俊)