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日本式イノベーション=匠の技?――在上海日本総領事·片山和之氏が解説

2015年 12月 3日14:03 提供:東方ネット 編集者:曹俊

  日本の技術が世界をリードする存在であることは周知の事実。上海を中心とする長江デルタ地域には、日系企業の約2万の拠点があり、上海は世界的な影響力を持つイノベーションセンターの建設を目指している。今回、「日系企業のイノベーションとはどういうものか?」「日系企業は当地のイノベーションにどのように貢献するのか?」等の問いに答えていただくべく、在上海日本国総領事·片山和之氏に独占インタビューを実施した。

すり合わせの技術=職人の精神

  日本の製造業界では、「すり合わせの技術」が必須だ。この技術は、微妙な調整や、高度な判断による加工が求められるもので、いわゆる「匠の技」と呼ばれてきた。

  片山総領事「すり合わせの技術は細かい点を丁寧にやるということです。『職人の精神』といえるでしょう。こうした精神が出てきた背景には、主に日本の文化、歴史、国土の大きさ等と関係があると考えられます。限られた国土に人口が密集していることから、コンパクトなものを慎重に丁寧に作ろうとする流れができ、すり合わせの技術が育まれました。すり合わせは、個別に設計·製造したパーツを調整しながら組み合わせることで高品質な製品を作り上げる作業の積み重ねにより行われます。高品質な物づくりにかける、職人の想いの表れとも言えます。

  自動車を例に取ると、車両ボディや内部の機械、部品等は初めに個別に設計されますが、その後、全体として完成度の高い製品となるようにするため、組み合わせた際に優れた機能を発揮するように調整を行います。加えて、製造の段階においても、金型を用いてプレスや鍛造といった機械加工工程や型に金属やプラスチックを流し込む成型工程の後に手作業による仕上げ工程が入ったり、組立てに際して職人が微調整を手作業で行う工程が入ることもあります。こうした取組の積み重ねにより、日本の自動車産業や機械産業等は、世界をリードする高性能な優れた製品を開発してきたのです。」