ようこそ、中国上海!
海上会客厅

Home >> 新着 >> 上海

2019白玉蘭栄誉賞受賞者伊藤幸孝氏、「中国と日本は2000年の友人!」

2019年 9月 29日10:33 提供:東方網 編集者:王笑陽

 「上海の生活は通算で16年になります。昨年、永久居留証を頂きました。上海はすでに私の第二の故郷ですので、非常に強い愛着があります」。

 三井住友海上火災保険(中国)有限公司(以下「三井住友海上(中国)」と略)の伊藤幸孝代表取締役兼総経理は、東方網の取材に応じてこう語った。

伊藤幸孝氏(撮影:潘建東)

 白玉蘭賞は、上海市の経済建設や社会発展、対外交流において大きな貢献をした外国人に対して、上海市政府が与える賞である。伊藤氏は今年、上海市政府から「白玉蘭栄誉賞」を授けられた。2017年にも「白玉蘭記念賞」を受賞したので、受賞はこれで2度目となる。


中日企業の提携でウィンウィンを遂げる

 三井住友海上火災保険株式会社は、1981年に北京で初めての事務所を設立してから、これまで中国で38年の長きにわたって発展を続けてきた。この中で伊藤氏は、16年も上海に駐在した。これは上海の日系企業の日本人管理者の中でも非常に珍しい。

 「1998年4月に三井海上火災保険上海事務所の首席代表として着任したのが、上海での生活の始まりです。当時当社の事務所は、日本人2人、中国人は運転手を入れて3人の計5人でした」と伊藤氏は、上海に来たばかりの時の思い出を語る。

 現在の三井住友海上(中国)は、その設立当初のたった5人の事務所から、大きな会社に成長してきた。2013年からは6年連続で増収増益を達成し、直近の5年間で5億元以上の税金を納め、11年連続でS&P グローバル·レーティングによって財務状況をAと格付けられている。

 実は三井住友海上火災保険の中国での成長は、中国の保険業界や保険会社の成長と深く関連している。伊藤氏によると、これまで三井住友海上火災保険が中国で遂げた数多くの成績は、中日企業の提携によるものだ。つまり、中日企業双方にとってウィンウィンの成果と言える。

 例えば、2004年に三井住友海上(中国)は、伊藤氏の提唱で、中国企業の太平洋保険と提携関係を結んだ。中国でのマイカーの激増につれて、両社は共同で「自動車搭乗使用者意外保険」を発売した。

 2010年の上海万博の際は、三井住友海上(中国)は上海世博局に日本の経験を提供するとともに、保険面での支援も行った。この功績で「上海世博会三項規定保険優質服務賞」を授賞した。

 また、2011年には太平洋保険を通じて、「上海市軌道交通網絡運営第3方安全評価、項目」を支援し、その翌年、上海市金融イノベーション大賞の一等賞を授賞した。上海市の地下鉄安全にも貢献した。

 そして去年からは、上海が開催する「中国国際輸入博覧会」の支援も行っている。太平洋保険は輸入博の唯一の保険担当会社であるが、三井住友海上(中国)は関連する保険を再保険などの形でサポートしている。今年の輸入博でも、火災保険や賠責保険、サイバー保険などの関連保険を再保険で支援する予定だ。

 上海駐在の16年間、伊藤氏は中国保険業の発展を見届けてきた。そして「今、中国の保険業は世界中で見てもけっこう高いレベルにあります。これからは海外に進出することや、国際化することが大事ではないかと思います」と述べた。

 伊藤氏は現在、上海保険交易所と協力して「外航貨物保険プラットフォーム」の構築に取り組んでいる。彼によると、このプラットフォームは世界中に見てもイノベーションだと言える。「ブロックチェーン技術を通して、貿易関係者同士で情報を共有します。手続きを簡素化し、利便性を向上させることによって、外航貨物保険の契約高を増やし、上海の海運·貿易中心都市としての地位を高めようとする取り組みです」と紹介する。

 同プロジェクトは現在、上海保険交易所の主導のもと、三井住友海上(中国)をはじめとする保険会社により進められている。第2回輸入博の開催前に、第1期の目標を達成する計画だという。