ようこそ、中国上海!
中国国際輸入博覧会

Home >> 新着 >> 上海

時を告げてきた92歳の上海税関の大鐘が今年の春に検査

2019年 1月 3日9:15 提供:東方ネット 編集者:王笑陽

 今年の春に大鐘が検査を受けるのと時を同じくして、4代目の「鐘守り」である魏雲寺さんも定年を迎える。鐘守りの仕事は、毎日時計のぜんまいを巻き上げて時刻を合わせることだ。時計塔に登ってから時刻を合わせ終わるまで、たった15分しかかからない作業だが、このために1991年に鐘守りとなって以来28年間、魏雲寺さんは上海を出たことがほとんどない。唯一の旅行は、2009年に会社が優秀社員へのご褒美でくれた西安旅行だった。はじめ魏さんはこのチャンスを諦めようと考えたが、彼の師匠である3代目の鐘守りがそれを聞いて勤務を替わってくれたことで、旅行がようやく実現したそうだ。他にも数年前にお父さんが亡くなった時、葬式の準備中であるにもかかわらず、時計のぜんまいを巻くために時計塔に駆けつけたことなど、鐘を守るために魏さんは多くの事を犠牲にしてきた。

仕事中の魏雲寺(撮影:李晔)

 2017年、江海関が90歳の誕生日を祝った時、魏さんは時計塔の近くに住む人々を招待した。その時にある住民から「私は毎日鐘の音を聞きながら眠りに入るので、鐘の音がなかったら眠れない」、と言われた。それで魏さんは、自分が守っているのは上海税関の大鐘だけでなく、ここで住んでいる人たちでもあると知った。

 2018年に入ると、時計の振り子がしばしば止まってしまうなど、様々な問題が出るようになった。そこで検討を重ねた結果、全面的な検査を行うことが決定した。今後もこの大鐘が引き続き時を告げ続けられるかどうかは、今年の春以降に決まるだろう。魏雲寺さんは、「私は父から、『一つのことをやるなら、最高までやり遂げなければならない』、と教えを受けた。だから私は鐘守りとして、最後の日まで頑張っていこうと思う」、と語った。

(編集:W)