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2018年 3月 6日14:38 編集者:王笑陽
作者:吉永篤史
こんにちは、吉永といいます。大阪人です。上海で生活して約三年。ここに来る前の40年間はずっと大阪で生活していました。だから大阪は故郷ですが、今、上海は僕の第二の故郷となっています。
2017年上海マラソンスタート地点
日本の家族も上海が大好きです
外灘
最近、上海とはいったいどんな都市なのか?僕にとってどんな意味を持つのか?僕にどんな変化をもたらしたのか?といったことを考えています。
僕はどこかの都市について考えるとき、まず自分の故郷である大阪との違いに注目します。
上海の人口は大阪の約2.5倍、面積は3倍以上、GDPは大阪を超えています。大阪は日本の大都市の一つですが、データを比較すると上海の規模がいかに巨大であるかが分かります。そう、皆さんご存知のとおり上海は世界レベルの大都市です。
でもこんな数字をみても退屈です。それは当たり前で、これらのデータは誰か別の人が調べたもので、自分で感じたものではないからです。やはり自分で感じたことを材料にして考えたほうが面白いです。
僕は上海に来てすぐにここが好きになりました。たぶん上海と大阪の雰囲気がよく似ているからでしょう。多くの大阪人もそう言っています。この雰囲気はいつも僕に一種の安心感を与えてくれます。
具体的には、南京路の歩行者天国は大阪の心斎橋を思い出させます。そこでお客さんに商品を売っているおばちゃんの様子は大阪の商店街のおばちゃんとよく似ています。上海と大阪は似ているところが少なくないので、ここでの生活にはすぐに慣れました。
また、上海には多くのグルメがあります。例えば小籠包はとても好きです。大阪も食の都で、たこ焼きやお好み焼きは美味です。
たこ焼きと上海古猗園の南翔小籠包
このように、自分で感じた似ている部分はとても興味深いです。でも当然、上海と大阪には異なる部分もたくさんあり、しかもこうした部分は似ている部分よりも深い印象を人に与えます。特にここの変化のスピードがそうです。例えばみんながよく知っているネット決済やシェア自転車。僕も毎日これらのサービスを利用しています。
以前は食事の際にはみんな現金でお金を払っていましたが、今は携帯で
上海に来たばかりのとき、外出用に自転車を買いましたが、今はほとんど乗る機会がありません。そう、市内の至る所にシェア自転車があります
現在、多くのサービスが携帯電話を前提にして構築されています。なのでもしバッテリーが切れたり持ってくるのを忘れたりしたら、その日はとても不便な一日になります。
だからモバイルバッテリーと充電コネクターは必須
日本では生活環境は安定しており、基本的に急に変化するということはありません。なので日本にいた頃は10年後20年後の自分の生活を想像することができました。言い換えると、一生のうちに体験できることも比較的限定されていたかもしれません。
でも上海の変化はとてもとても速いです。今後もずっと上海に住むと仮定した場合、自分の将来の様子を想像することができません。みなさん誤解しないでください。僕は上海と大阪のどちらがより良いかといった事を言っている訳ではありません。安定しているのは良いことですし、変化は潜在能力を現します。良し悪しの区別はありません。
生活とITの融合において、中国は日本の数歩先を行っています
先述のネット決済やシェア自転車はこの数年の間に登場したものですが、生活環境が大きく、そしてあっという間に変わったこと分かります。そしてこれらの変化は僕たちのすぐそばで起きているのです。このため、知らず知らずのうちに僕自身も徐々に幾分変わってきました。
以前の僕は、自分に直接関係のないことに対してあまり興味がありませんでした。知識や情報についても、ネットや新聞を見て知ればそれでよいと思っていました。
今の僕は、見たことがないものはぜひ見たいし、知らないことはとても知りたい。なぜなら多くの物事はあっという間に変化し又は消えてしまうからです。
旧フランス租界では至る所でプラタナスの木が見られます。この雰囲気が保存されるよう望みます
以前の僕は、自分自身こんなに真面目に中国語を勉強するとは思っていませんでした。
現在の僕は、もっと中国語を学びたいです。なぜなら中国語は中国の過去と現在をさらに理解するのに役立つからです。
中国語を勉強してもうすぐ四年になります。事実上、上海に来てからの三年間は独学です。僕には先生がおらず正式な教科書も使っていませんが、今では中国人と中国語で気軽に交流ができるまでになりました。時間があるときには中国のテレビを見、通勤中はアプリで放送を聴いていますが、中国という国をさらに理解することができます。
上海に来てから十数冊の本を買い、独学で中国語を勉強
中国はとても活気があります。今の中国は僕らが子どものときに理解した中国とは全く違います。新たな体験を求めて、僕は行ったことがない場所に行きたいし、そこの様子を直接見てみたい。以前と比べ、体験できることが増えたように感じます。
中国各地を旅行
以前は上海で普通のマンションに住んでいましたが、今は老洋房に引っ越しました。ここには共用の台所があり、よくご近所さんと顔をあわせます。小区の中の人との交流を通じて、彼らの考え方を理解することができます。
老房子の中は幾つかの区画があります
一階には共通の台所
僕の部屋は二階と三階の一部分です。何人かの中国人とヨーロッパ人がこの老洋房に住んでいます
もし上海に住むことがなければ、今の僕はどうなっていたでしょう?きっと、予想可能な範囲内で穏やかに生活していて、大きな変化はないと思います。
これは日本の僕の家で、毎年春に草花を観賞できます
近所の公園には多くの桜
このように考えたとき、自分にとっての上海とは何か、自分はどのように上海を見ているのかがようやくはっきりしました。
上海は発展し続けていて、更に、ほとんどの物事が変化し続けています。上海は新たな発見に満ちているだけではなく、人の成長を助ける作用も備えています。上海は僕の好奇心をくすぐり、視野を広げてくれました。結果、40歳を超えた僕でも成長することができたのです。
上海での生活を通じて、変化というものが良いものであり、刺激的であることを感じました。今後僕はきっと周りで起きた変化にもっと注意を払うことでしょう。
地下鉄の路線図はよく更新されます
関係部門の努力により、道路を安全に渡れるようになりました
僕はいつか日本に帰りますが、帰って一年後には、今の上海がどんな様子か、上海で人々はどのように生活をしているのかを他人に説明することはできなくなるでしょう。ここの変化はとてもスピーディーで、昨日と今日はまるで違うからです。
僕は必ず自分の目で上海の将来を見、上海の変化を感じたいです。そして更に成長できることを願っています。ありがとうございました。