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第十回  ゴミの分別処理の実現はいつ?
2003 -8 - 18   11:4

                            西井美津子

 日本に一時帰国するたび思う。「面倒だなあ・・」

 上海に戻ってきて思う。「あー、楽ちん!」

 何のことかというと、それは「ゴミの捨て方」。環境保護のためとはいえ、日本のゴミの分別は帰国するたび複雑になっていて、安易にゴミ箱にポイ、なんてできない。専業主婦をしている友人が言うには、ゴミの分別の仕方を把握しているのは家族の中で彼女ひとりのため、ご主人やお子さんがゴミを捨てる際には、一度彼女の手を経てから捨てるべき場所に収められるという。まことに「面倒」なことになっているのだ。

  これに比べて上海のゴミ処理の楽ちんなこと!生ゴミもビンも缶も雑誌も何でもかんでも一ヶ所に捨ててOK。それに曜日も関係なくゴミがたまればアパート下の共同ゴミ置き場にポイッ。実に簡単。もちろん、我々住人が捨てたゴミを、ゴミ処理担当のおじさんおばさんが再度ゴミ袋をひも解いて中身を分けているのは知っている。でもそれが彼らの仕事なのだから住人は知らん顔しててもいっこうにかまわないのだ。

  家庭内からでるゴミ処理がこうだから、外でのゴミ処理も何ら規制はない。一応、歩道に設置されている最近のゴミ箱には、燃えるゴミと燃えないゴミを捨てる入り口が別になっている。また、電池を捨てる小さなポケットもついている。しかし現実は全く無視されている。街の中心部には数メートルおきにこの種のゴミ箱が設置されているが、どれを覗いても分別などされていない。時には、煙草の吸殻から煙がでていることもあって、危ないことこの上ない。そういえば、これだけ喫煙者の多い上海なのに、灰皿(吸殻専用ゴミ箱)が街に設置されていないのはとっても不思議だ。

 しかし、最近になって上海でも少しずつ環境保護にも目がむけられるようになってきたし、一般市民もゴミの捨て方に気を配らなければならなくなるだろう。

 「入郷随俗」とはいえ、私は上海にいても、例えちょっとした飴の包み紙でもゴミ箱を探して捨てるようにしている。時々行動を共にする上海人の友人は、以前は飲み終わったペットボトルでも路上に捨てていたが、最近は私の行動を意識してか、ゴミ箱に捨てるようになった。口に出して言わないが、こういう行動を見るとやはりうれしい。少しずつでも上海の人が環境保護のためにゴミ分別を意識できるようになり、街を清掃するおじさんおばさんの姿が減っていけばいいな、と思う。

 
 
 

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