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急務の郊外交通インフラ整備
2002 -12 - 23   17:27 )

先月、上海のバス運賃(空調なし)が5角から1元に、地下鉄も2元から3元に値上げされました。重大なのは金額より値上げ率です。世界的にインフレ沈静とデフレ傾向にある今日、中国も例外ではありません。更に失業問題が進行する中でそれぞれ100%、50%の大幅値上げなのです。

日本でも20年前だったでしょうか。国鉄の初乗り運賃が一夜のうちに30円から60円に100%上がったことがありました。しかし今回の値上げをかつての日本と同じと考えるのはちょっと無理があります。それは当時の東京、大阪と云った首都圏では、投資財源を無くした国鉄に代わり私鉄が住宅やショッピングセンターなど複合的な沿線開発を行い、急速に放射状に郊外へ延びたのに対して、上海では鉄道も無い場所にいきなり88階建ての高層ビルを建ててしまうのです。

上海には都心にあれだけの勢いで超高層ビルを建てられる経済力があるのですから、日本の電鉄会社の仕組みを取り入れてはどうかと思うのです。つまり松江や嘉定といった当面の始点を定めて、都心まで線路を曳きます。同時に途中の駅周辺に土地を確保しておき、住宅やスーパーを造りターミナルの上はデパートです。地下鉄と相互乗り入れすればなお良いでしょう。財源は鉄道用地は公共性を鑑み、タダ同然で国から租借し鉄道債券を発行して建設費を賄い、償還は駅周辺の住宅や商業施設の不動産売却益で賄います。

現実に今回の運賃値上げが、冷え込んだ不動産市場の中でも特に郊外物件の売れ行きに多大なダメージを与えました。銀行の住宅ローンが整備され、少し無理をすれば家が買える中堅サラリーマン層が狙っているのは平米あたり2千元台の郊外マンションなのですから、通勤の「足」である公共交通網の整備こそが低迷する上海不動産市場の突破口と思えてなりません。

 
 
 

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