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米軍のジュネーブ条約違反
2004 -5 - 17 11:40

 国際法を専門にする中国外交学院の劉文宗教授がこのほど、米軍のジュネーブ条約違反について論評した。 メディアの報道や映像が示しているように、米軍がイラク人戦争捕虜を虐待した様々な暴行には、実に驚愕するとともに強い憤りを覚える。

 思わず半世紀以上も前、すなわち第2次世界大戦期間中、ドイツナチス占領軍がポーランドで行った虐待とユダヤ人迫害の情景が目に浮かんだ。50年以上を過ぎても、こうした恐ろしい犯罪行為が再び眼前に出現するとは。だが、これは当時のナチスではなく、米国の軍人が、彼らが占領するイラクにある集中営舎で行ったものであり、こうした野蛮な暴行を行った者は応分の法的制裁を受けなければならない。 衆知のように、第2次世界大戦終結後、連合国軍はニュルンベルクと東京に戦争犯罪人を裁く法廷を設置し、ファシズムドイツと軍国主義日本による戦争期間中の犯罪行為について審理し、彼らは当然受けるべき罰に処せられた。犯罪行為は3級に大別できる。A級の反平和罪。侵略戦争を発動または実施した罪である。B級の戦争罪。占領地の一般人や捕虜を殺害、虐待するなど戦争関連法規と慣例に違反した罪である。C級の反人道罪。戦争発生前または戦争期間中にいかなる一般人に対しても殺害、絶滅、奴隷化、放逐、その他の非人道的行為を行った罪である。 ニュルンベルクの規則は事実、公認された習慣法の準則となり、のちの1949年に結ばれたジュネーブ4条約のなかでもこの規則は再度表明されるとともに改良が加えられた。

 従って、米軍がイラク人捕虜を虐待した行為は完全に戦争関連法規と慣例に違反し、とくに1949年の戦争捕虜の待遇に関するジュネーブ第3条約に違反するのは確かだと言える。この条約の第3項はこのように規定している。「全ての武器を放棄した武装部隊人員と戦闘力を喪失した人員は、全ての状況の下で人種、皮膚の色、宗教または信仰によって敵視されてはならない」「いかなる時、いかなる地であれ、彼らの生命と身体に殺害、肢体障害、虐待および酷刑といった暴力を加えてはならない」「特に侮辱、身分の低下など、彼らの個人的尊厳を害してはならない」。すべての公正な人道主義団体、例えば赤十字国際委員会などはこれに関与する権利を有している。

  米軍によるイラク人捕虜虐待はジュネーブ条約に反するのみならず、国際人道主義法や酷刑の禁止に関する国際条約の規定にも反する。だが、西側メディアの報道と公表された写真によれば、米軍がイラク人捕虜を虐待した事件は、絶対に個別または偶発的なものではなく、組織的に捕虜を虐待した犯罪行為であるのは、ビデオの一部がすでに2003年に撮影されていたからだ。これは捕虜虐待の犯罪行為がまだ十分暴かれていないことを物語っており、解明に向けさらに調査しなければならない。非常に明らかなのは、これは決して数人の個人の問題ではなく、組織的に、一貫して捕虜を虐待してきた犯罪行為だということであり、従ってイラク人が参加する公正な特別軍事法廷を設置して、米軍および英軍の関係する犯罪行為を調査するとともに尋問を行い、その責任者と主犯者を追究しなければならない。

  米国は、国際関係は武力と覇権主義、単独行動主義の下では構築できないことを理解すべきだ。長い歴史が証明しているように、主権の相互尊重と領土保全、相互内政不干渉、相互不可侵、平等互恵、平和共存5原則こそが当面の重大な国際問題を解決するカギとなる。

 
 
 

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