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「安倍首相失脚の可能性小、日本強勢政治家時代の衰退(中)」=金熙コ氏(写真)
2007 -7 - 19 10:50

(中)

【強勢政治家時代の“衰退”】 

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中日関係を語る金熙コ氏(右から一人目)

ーーこれらのスキャンダルと関連して、安倍首相への支持率は下がる一方という困難な局面にあるわけだが、特に三年に一度の参議院選挙まで20日を切った今、このような支持率の緊迫した局面は安倍内閣の執政方針と何か関係があるのだろうか?

金熙コ氏:

 安倍氏が首相に就任した後の最大の理想が「第二次世界大戦後の体制」への脱却で、中でも最も目標として定めているのが“憲法改正”であるが、特に憲法第9条に関する「戦力の不保持」、「交戦権の否認」の規定です。けれど日本は未だかつて、歴史に対して国家的にも真剣にことの結論を出すに至ってない状況下にあるため、このたびの憲法改正案の動きは隣国や、アメリカにとってはまさに不安をよぎらす要因なのです。

 ーー安倍首相が靖国神社参拝問題においてのあの曖昧な態度も、選挙のポイントマイナスに繋がっているのでしょうか?

金熙コ氏:

 安倍首相が参拝される際にとる曖昧な態度も、実はこの度の参議院選挙で一役買っているのだ。それはただ、もし万が一選挙で困難な局面に差し掛かった際には、靖国神社参拝を武器により多くの支持を得ようとしているだけで、他の周辺国家からの強烈な反感をかうためでは決してなく、周辺国家との関係改善に向けてのためであるのです。そして見て分かるように、日本の今の状況はもう小泉首相時代とは違っているんです。

 小泉首相の時代、参拝は民衆や世論の間でも絶大な支持を得ていたが、徐々に孤立化していったのである。なので、このことは指導者が世情にそって適した調整を取る必要があるのだ。だが私たちの態度はとても明確なはずである。もしや参拝そのものが、直接日本の政治界や官僚たちの歴史問題に対する認識となってはいまいか、今日の国内の政治形式に基づいてこのような曖昧な態度を採ることに私たちは遺憾を感じており、むしろ必要なのは日本が勇気を出して、この靖国神社の参拝問題に対して明確な責任をとる態度を示して欲しいのです。ーー靖国神社に対する参拝の放棄。

ーー現在自民党内部でも幹部たちによって、もし自民党が今回の参議院選挙で万が一失敗した場合には、安倍首相はどうするべきか、何をするべきを論議することになるとつぶやかれ、外界からはいっそう楽観的に今回のパターンと1998年度の自民党敗局とを比較され、当時の橋本竜太郎首相は残念ながら辞任をなさったわけだが・・・

金熙コ氏:

 この度のは1998年度のとはもう情勢が大分違ってきています。あの当時、橋本派はすでに自民党の主流からは外れており、きわどい境地にあって、そのため選挙で失敗した際に、大勢の人々が橋本氏に対する支持を放棄し、橋本氏の辞任を招いたのです。

 目下、自民党内で多くの人々は、安倍氏しかより好い選択がない、安倍氏が依然として自民党の主流意見を代表していると見ています。

 ーー安倍首相によると、内閣総理に就任した際には絶大な人気に頼ったが、今となって一番差をつけているのが人気である。私たちは安倍首相のこのような状況をどのように理解すればいいのか、もしやこれは日本の政治家はすでにその執政の持続性を保持するのに困難な状態であることを示しているのでしょうか?

 金熙コ氏:

 日本の政治全体がすでに衰退期へと突入しており、今はもう大政治家の時代ではなくなっている。あのころのような中曾根 康弘、田中角栄、吉田茂と言った大政治家の出現は極めて困難と言えるでしょう。

 安倍首相は当初自分の若さと麗しい外見によって有権者たちの支持を勝ち取り、自分こそ日本の希望であると信じていた。けれど彼は一貫して、明確に民衆に受け入れてもらえる政治スローガンを打ち出すことができなかったのだ。彼が出版した『美しい国へ』の本中で、将に日本は美しい国だと形容しているが、日本民衆に対して行った調査の結果では、日本は美しい国なのかどうか、どのようにすれば日本は美しい国へと変貌を遂げられるのかどうかなど、大多数の民衆がそれを理解できずにいることが明らかになったのである。

 さらに、安倍首相はこれと言って演説にたけている指導者でもなく、当時の小泉元総理大臣のようにテレビで顔出しして話すだけで、支持率改善を図ることができるわけでもなく、安倍首相は今も頻繁にテレビに露出しているものの、支持率向上に繋がるといった兆しはこれと言って見られません。

(聞き手:叶建国 翻訳:呉恵伊 写真:章坤良)

続き

「安倍首相失脚の可能性小、日本強勢政治家時代の衰退(上)」=金熙コ氏(写真)
 
 
 

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