中国政府・衛生部(省)は20日夜、北京市内で新型インフルエンザ感染者が確認されたと発表した。
観光客の体温を測る広東薬学院の学生ボランティア=広州空港で
感染したのは中国系カナダ人の21歳男性。16日午後にエア・カナダ31便(AC031)で、カナダのトロントから北京の首都空港に到着した。19日午前になり発熱、せき、脱力などの症状を感じたため、同日午後6時に武装警察総医院(病院)に行き診察を受けた。
病院は男性を隔離して治療。20日には新型インフルエンザ治療の指定病院になっている地壇医院に転院させた。男性から採取した検体を調べたところ、A−H1N1型の新型インフルエンザウイルスの陽性反応が確認された。
北京市で新型インフルエンザ感染が確認されたのは2例目。中国本土全体では5例目。
一方、WHO・世界保健機関は19日ジュネーブ本部で、ワクチンを生産する世界の30社の企業の代表と、新型インフルエンザ・ワクチンの生産や供給について会談した。
会談で、WHOのマーガレット・チャン(陳馮富珍)事務局長と国連のパン・ギムン事務総長は、新型インフルエンザ・ワクチンの平等に供給することの重要性を強調しました。各企業の代表はWHO
と協力し、発展途上国へのワクチン供給を確保することを表明したほか、WHO の命令を受ける次第、ワクチンの生産に入ることを明らかにした。
会談後の記者会見で、マーガレット・チャン事務局長は、「各ワクチン生産企業はすでにWHOと
の協力に真剣に約束をした。その中には、ワクチンを寄付する企業もあれば、一定量のワクチンをWHO
の調達に用意しておく企業、また安い価格で貧困諸国に提供する企業もある」と述べた。
新型インフルエンザの感染確認者は21日までに世界各地で増加し、1万1000人を超えた。死者数は計85人。
(編集:章坤良 写真:新華社)
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