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中国フォーカス:春節の変化は中国社会の進歩と戸惑いを反映し
2013年 2月 18日9:59 / 提供:新華網日本語

 食べる、飲むことはもう主役とはならず、デジタル製品で年を越すのが流行となり、肉親の情の「囲城」現象が顕著となり……過ぎ去ったばかりの「巳年」の春節では、悄然と起こった変化が中国社会の巨大な変化がもたらした進歩と戸惑いや再構造を反映している。

 以前、一般家庭では春節が来た時にだけ、いつもよりも「贅沢」な料理を惜しまずに楽しむことができた。今では、庶民の食生活は品質・量にかかわりなく「正月用品」に匹敵し、年越しに飲み食いする習慣がしだいに健康、リラックスを求める個性化の選択に取って代わってきた。

 春聯(旧正月に対句になっためでたい文句を書いた赤い紙を出入り口の両側に一句ずつ貼り付けるもの)、お正月の挨拶、お年玉をあげるというようなこれらの春節のシンボル的な習慣にも現在変化が生じている。

 ミニブログを開けば、春節、新年に関するお祝いのニュースは数え切れない。ネットユーザーは自分のミニブログにお祝いの言葉をいくつか書き、おめでたい春聯の画像を貼り付け、「@(アットマーク)」の親友グループや親友は同時に新春の祝福を受け取ることができる。

 年越しにお年玉を贈ることは中国の伝統的な習慣だ。今では、携帯電話の2次元コードの使用、ネットバンキングを通しての振り替え或いはサードパーティ決算ソフトによる送金方法で紅包(お祝いの際に贈られるお金)を送ることが、一部の「流行に乗る」人の新しい選択となった。

 都市化の波もまた以前の安定した家庭構造に衝撃をあたえ、肉親の情による「囲城」が現在演じられている。

 若い世代は大都市で生活し、老いてゆく父親の世代は旧農村に蟄居する。家族メンバー間における世代間、都市部と農村部の職業の違いは非常に明らかで、互いの共通の話題の欠如が故郷の外にいる時には帰省したくて、帰省すれば家から離れたくなる―春節はそんな肉親の情の「囲城」となった。

 南京博物院民族民俗研究所の学者である杜臻氏は、中国社会は現在巨大な転換期の中にあり、一部の民俗と観念はしだいに薄れ、新しい民俗や価値観がまた形成されており、それらは絶えず沈殿し、消え去り、また融合・形成する発展の過程にあるのだと考えている。

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