Home > ニュース > 中国  > 中国の国防予算が昨年比7.5%増=全人代の報道官・李肇星氏
中国の国防予算が昨年比7.5%増=全人代の報道官・李肇星氏
2010年 3月 4日17:55 / 提供:
第11期全人代第3回会議の報道官である李肇星氏

 第11全国人民代表大会(全人代=国会に相当)第3回会議の記者会見が4日11時、人民大会堂3階の「金色ホール」で開かれた。全国人民代表大会外事委員会の主任委員、第11期全人代第3回会議の報道官である李肇星氏が会議について紹介し、記者の質問に答えた。 

 今年の国防予算について、李報道官は、今年の国防予算が昨年に比べ7.5%増えて5321億1500万元(約6兆8000億円)になることを明らかにした。昨年より増加した予算は、軍隊の対応力強化や将兵の待遇向上などに使われると表明。「中国は平和的発展と防衛的な国防政策を続けていく」とした上で、「ここ数年、中国の国防費が国内総生産(GDP)に占める割合はわずか1.4%前後で、アメリカやイギリス、フランス、ロシアなどよりは低い」と強調した。

 「中国と西側諸国の間で貿易問題や台湾、チベット問題をめぐって深まりつつある誤解が懸念されている」との見方に対して、李報道官は「そういった問題は解決しにくい問題ではなく、心配するほどのものでもない」と述べた。

 さらに「中国は世界貿易機関(WTO)に加入してからWTOの規則に従って貿易を行っている。また、チベットと台湾はいずれも中国の一部である」と強調した。ダライ・ラマについて、 李報道官は「早くも13世紀には、チベットは政治上中国の不可分の一部分となった。またその前から歴史的伝統、文化上からも中華文化の一部分である。西側の個別の政治家はこれらを無視し、1959年チベット民主的改革が実施されて以来、チベット経済と社会の発展や人民生活の改善などを無視して、ダライ・ラマの話だけを信じている。これは彼らが問題を理解せず、或いはチベットの歴史と現状を十分に認識していないからだ」と指摘した。  

 また、李報道官は、「西側の個別の指導者がダライ・ラマと会見したことに対して、中国人民は理解できず、かつ非常に憤慨している」と強調した。

 選挙法の改正について、李報道官は「選挙法の改正は中国の社会発展プロセスに合致し、平等原則をさらに実現することができる」と述べ、「都市部と農村部は同じ人口比率で代表を選ぶことを規定した」と指摘した。  

 李報道官はまた、「1953年に制定した選挙法によると、農村部の代表1人当たりの人口は、都市部の代表1人当たりの人口の8倍だった。これは、完全な平等ではなかった。しかし、当時、そのようなやり方はわが国の現実をそのまま反映していた」と語った。  

 李報道官は「改革開放して以来、中国の経済社会が急速に成長し、都市部と農村部の人口比率は大きく変化している。1995年に選挙法が改正された後、全人代代表を選ぶ人口比率は農村部と都市部は4対1となっている。これは、中国の選挙制度にとって大きな進歩だ」と述べた。  

 また、李報道官は「また15年経った現在、都市部と農村部は同じ人口比率で全人代代表を選ぶ条件が整った。人間の平等、地域の平等と民族の平等という3つの原則を実現するために、選挙法改正案草案は、都市部と農村部は同じ人口比率で代表を選ぶことを規定した」と強調した。

 『労働契約法』の施行について、李報道官は「多くの省、自治区、直轄市では、規模以上の企業(国有企業または年売上高500万元以上の非国有企業)における労働契約の締結率は90%以上、大型国有企業では100%に達している」と述べた。  

 また、李報道官は「労働契約法の施行により、社会保険のカバー範囲を拡大した。2009年、全国では老後保険、医療保険、失業保険に加入した人の数は前年より大幅に増加した。また、国際金融危機に対応する中、労働契約法の役割が特に重要視される。中小企業の従業員のリストラが一段落し、一部の失業者の生活が保障されている」と述べた。 

 代表1人1人は直接問題の処理を行うことについて、李報道官は「全人代の代表は、国家権力機関の一員だ。各クラスの代表はいずれも職務があり、権力も持っている。公民は代表に選ばれることを希望している」と、全人代の代表に権力がないとの言い方を否定した。  

 さらに、「全人代は会議を通じて集団で物事を決めるシステムで、代表個人は具体的な案件など直接問題処理を行わない。ただし、権力を有する者として各代表は実際調査した上で、議案や提案など民衆や個人の意見を出すことができる」と述べた。

 中国のネットユーザーは自由に交流するかについて、李報道官は「中国政府は他の国と同じように、法に従ってインターネットを監視、管理している。中国には現在、約4億人のネットユーザーと数百万のウェブサイトがある。ユーザーたちは法に従って自由に交流している」と述べた。

(編集:章坤良 写真:新華社)