二. 税関の価格への質疑に積極的に対応すべき
2.1 税関が企業の申告価格に異議を出したときは、まず企業に『価格質疑通知書』を発行し、企業は同通知を受け取ってから早急に回答すべきである。5営業日内に回答しない場合、権利を放棄したと見なされる。もちろん、企業側も税関に延期を申請して、時間を稼ぐことも可能である。
1) 税関の価格質疑の理由を確認すること
2) 質疑の段階では、企業の回答の重点は取引の全過程、取引双方の関係、貨物の価格相場を税関に説明することである。
3) 上述の段階では、税関は企業が回答する態度を見て、後続の措置を決定することが多い。実際、質疑は税関の査定手続きの始まりにすぎず、多くの企業は同段階で税関の査定基準を受け入れてしまうが、これは事実上今後の交渉の機会を失ったことを意味する。従って、企業が税関の査定を受け入れられない場合は、税関との交渉を粘り強く続けるべきであり、そうすることで、税関は質疑の段階で同件を終了することができず、協議の段階に入ることになる。
1.2 査定案件においては、協議は税関との駆け引きを行う重要な段階である。企業は以下に重点を置いて対応するべきである。
1) 申告した価格の合理性を税関に証明する。同類の貨物で、時間的にも近い時期に輸入されたときの価格と企業が申告した価格が似ていることを説明する。なお、税関内部の基準に基づくと、「近い時期」とは企業が対象貨物について輸入手続きを行った前後6ヶ月を指す。
2) 輸入貨物の新旧程度の判断は協議段階での重点となる。企業が輸入した設備が中古であっても、税関は価格データベースの新品設備の価格×リスク系数を査定基準とすることが多い。この場合、以下要素があれば査定価格を引き下げる根拠とすることができる。
n 中古設備の輸入前に、設備の性能を改善するために支出した修理費、部品交換費用
n 中古設備の初回出荷価格(中古設備の初回販売価格)。出荷価格と減価償却額では大きなが差が出る。
3) 輸入貨物の売手との取引は完全に独立した取引関係であること税関に説明することで、双方の輸入貨物の価格は公平で合理的であることを証明し、税関から双方が関連企業関係にあると見なされることを回避する。
以上、当所はこれまで税関の査定について大量に処理してきたが、その経験に基づくと、税関の査定に一部の隙もないわけではない。
企業にとっては、積極的に交渉することで査定額を引き下げられる可能性は残っており、慎重に対応することがよい。なお、疑問を感じた時は迅速に行動すべきで時機を失うと手遅れとなることを理解すべきである。
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