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中国製ホストコンピュータ、海外の独占を打破できるか?
2014年 7月 7日10:40 / 提供:人民網日本語版

 情報産業の基礎的な中心設備であるホストコンピュータの国産化は、国家情報安全を保障する重要な措置だ。中国市場は長期的に海外メーカーに独占されており、ホストコンピュータの国産化の難しさが伺える。

 初の中国産ホストコンピュータ「天梭K1」(ITベンダーの浪潮集団が開発)が2013年に誕生し、中国は米日に続き最新のホストコンピュータ技術を把握した3番目の国になった。

 天梭K1は利用者の国産設備への懸念を払拭し、海外メーカーの長期的な独占を打破できるだろうか?

 ◆ホストコンピュータとは?

 浪潮集団総裁、高効率サーバー?ストレージ技術国家重点実験室長の王恩東氏は、「ホストコンピュータは8基以上のプロセッサを搭載できるハイエンドサーバーで、主に金融、通信、エネルギー、民間航空などの、国家経済の命脈に関わる重要業界の情報化に使用されている。銀行の預金管理システム、通信事業の通信網管理システムなどは、ホストコンピュータを主なプラットフォームとしている。ホストコンピュータは、経済?社会の情報化の中枢神経と呼ばれている」と説明した。

 天梭K1が誕生するまで、中国のホストコンピュータ市場は長期的に海外メーカーに独占されていた。米国の3大手「IOH」(IBM、HP、Oracle)は中国の99%以上のシェアを占めており、その他のシェアは日本企業の富士通に占められている。

 輸入ホストコンピュータによる独占は、中国の情報安全の潜在的な脅威となっている。政府によるサイバー攻撃、民間のハッカーによるデータ窃盗では、ホストコンピュータが重点的な目標になる。これが攻撃された場合、想像もできない悲惨な結果がもたらされる。

 中国科学技術部(省)などの部門は2007年に、投資総額が7億元(約115億円)以上に達する特別プロジェクト「ハイエンド?フォールトトレラント?コンピュータ」を立案した。浪潮集団は長年の取り組みを経て、ついに重要技術を把握し、天梭K1を開発した。

 天梭K1の総設計者でもある王氏は、「天梭K1の開発の成功は、長い道のりの1歩目にすぎない。より困難なのは、普及の実現だ。世界の大手と比べれば、当社はまだ力不足だが、努力を続ければホストコンピュータの国産化は時間の問題だ。天梭K1の試作機は2010年8月に、新疆支社でオンラインテストを実施した。天梭K1システムは現在まで4年弱稼働しているが、稼働状況は全体的に良好で、大規模普及の技術的条件が備わっている」と指摘した。

 浪潮集団はこのほど、国産ホストコンピュータシステム産業連盟を発足した。

 王氏は、「情報技術(IT)の国産化は、ホストコンピュータというハードの国産化だけでは不十分で、産業の生態システムの国産化が必要だ。当社はゼロからスタートし、従来の顧客の需要を満たすシステムを再構築する。言い換えるならば、海外メーカーとの競争は単なる企業と製品の競争ではなく、各社とシステム全体の競争になる」と述べた。

 王氏は、「国産のITソフト?ハードが、重要業界の情報化事業を担当できることは、多くの事実によって裏付けられている。天梭K1の普及は、国家情報安全を最大限に保障するほか、コストを大幅に削減する。当然ながらIOHなどの大手と比べ、当社はまだ力不足だ。しかし国内メーカーが協力すれば、ホストコンピュータの国産化は時間の問題だ」と語った。

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