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中国経済に「崖転落」式の下降は訪れない
2014年 6月 11日9:30 / 提供:チャイナネット

 中国経済は今年、合理的な範囲での運行を続けており、経済構造には積極的な変化が現れ、重点分野の改革も新たな進展を実現している。だが同時に、経済下降のリスクや不動産市場のリスク、債務リスク、金融リスクなどの隠れたリスクが存在していることも事実である。これらのリスクの大小や性質を正確に評価できるか、リスク対応の条件とチャンスを全面的に把握することができるかは、市場予期の安定と制御の可否を決定する要素となる。「人民日報」が伝えた。

 国務院発展研究センターの劉世錦?副室長によると、今年第1四半期、消費は前年同期比12.2%増で、昨年通年の成長率を1.4ポイント下回った。輸出は3.4%のマイナス成長で、虚偽取引の基数的効用を除いた実質成長率も3%前後にとどまり、経済成長に対する貢献は限定的なものとなった。不動産開発投資の成長率は16.8%で、昨年通年の値から3ポイント下落した。インフラ投資の成長率は20.9%で、昨年通年の値を0.3ポイント下回った。

 「消費や輸出、不動産投資、インフラ投資は、経済システムの末端需要と言える。こうした末端需要の不振は、製造業投資や工業生産の成長率の大幅な減速につながる」。劉副室長によると、第1四半期の製造業投資の成長率は15.2%で、昨年通年の値を3.3ポイント下回り、ここ5年の平均成長率の半分近くにまで下落した。工業付加価値額の成長率は8.7%で、四半期の値としては2009年の第3四半期以来の最低となった。

 投資の減速や工業の減速が明らかとなる中、中国経済の成長が失速し、さらに崖を転落するような下降をたどることはあり得るのか。中国人民大学重陽金融研究院の王文?執行副院長は「あり得ない」と断言する。

 王副院長の分析によると、例えば輸出は、国際経済環境の好転によって、中国の輸出状況の改善の兆しが見えている。中国の貿易総額は4月、3586億ドルに達し、前年同月比で0.8%の成長となった。このうち輸出は1885億ドルで成長率は0.9%、輸入は1701億ドルで成長率は0.8%だった。貿易黒字は184億5千万ドルで1.8%の拡大となった。貿易にはすでに改善の兆しが現れている。

 投資に目を向けると、4月の固定資産投資は民間投資が40%以上を占めた。国務院の各部門は最近、ターゲットをしぼった微調整政策を頻繁に打ち出している。例えば発展改革委員会は、エネルギー?鉄道?道路?通信などの分野にかかわる80項目の民間投資への開放を実施し、独占の打破や競争の促進をはかり、経済の活力をさらに引き出す措置を取っている。

 消費を見ると、4月の社会消費財小売総額の実質成長率は前月から0.1ポイント上昇した。消費需要が引き続き増加し、経済成長に対する消費の牽引作用がますます高まっていることがわかる。

 また世界的に見ると、中国の第1四半期の7.4%という経済成長率は、依然として高い値となっている。国務院発展研究センターの報告は、▽年初以来の状況から見ると、経済成長率の減速は予想を上回っているが、供給側には積極的な変化が見られ、全体的な経済便益は合理的な水準にある、▽労働力需要が旺盛で、就業圧力が緩和の傾向にある、▽CPIの動きも正常で、デフレの兆候はない――との判断を示している。経済の運行は、ファンダメンタルによって支えられる潜在的成長率と基本的に合致している。短期的な成長率の変化によって経済運行全体に対して消極的な評価をするべきではない。

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