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ダボス会議、世界の金融システムの安全問題に関心を寄せ
2014年 1月 24日13:39 / 提供:新華網日本語

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 22日に開催した世界経済フォーラム年次例会(ダボス会議)で、金融危機後の世界の金融システムがより安全になったかどうかについての討論が白熱しており、各当事者の関心が寄せされた焦点の一つとなっている。

 HSBCグループの範智廉財務総監(経理担当理事に相当)は、金融市場は明らかに5年前より更に安全となっており、その主な現れは、銀行システムの自己資本規制比率や流動性がいずれもある程度向上し、監督とリスク管理の方面でもかなりの改善がみられ、特にデリバティブ取引の管理監督方面で著しい改善を得たところにあると考えている。

 バークレイズ銀行のアントニー?ジェンキンス最高経営責任者(CEO)は、金融システムの業務はリスク管理を行うことで、リスクは丹念に監督管理されたプロの方にコントロールされ、それらを銀行の貸借対照表に残させ、または監督管理を受けない影の銀行システムに移転させるべきではない。

 ニューヨークの著名なヘッジ・ファンド資産管理会社エリオットの担当者であるポール?シン (Paul Singer)氏は、金融デリバティブの高レバレッジおよび透明性の欠乏は危機前よりも更に大きなリスクを含んでおり、米国の量的緩和政策の退出により誘発した不確実性、およびいくつかの主要国家の財政状況の不況もリスクを増加させた。

 スタンフォード大学のAnat Admati 教授は、ポスト金融危機時代(Post Financial Crisis Era)の金融システムがより安全になったのではなく、「現在の金融システムの改革が実際は微調整にすぎない」と考えている。

 会議に出席した代表は金融システムがより安全かどうかという観点で食い違いを持っているが、措置を講じて世界の金融システムの安全性を更に高めるべきで、特に金融デリバティブ取引の透明度を一層高めるべきで、監督管理の範囲は銀行から保険会社、影の銀行システムなどの分野まで拡大すべきだと基本的に一致してみなしている。

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