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評論:人民元の国際化は時代の流れに従って前進
2013年 7月 19日16:30 / 提供:新華網日本語

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(資料写真)

 【新華社北京7月19日】中国経済の台頭と、グローバル化の進展、世界的な金融危機と欧州債権危機の深刻化に伴い、人民元の国際化は既に大局の赴くところだと言える。この流れに乗じて、人民元の国際化を推進することは、中国経済の改革と発展にプラスとなり、中国の発展によって生じた配当を世界中で分かち合うことができる。

 2009年よりクロスボーダー人民元建て貿易決済を試行して以来、人民元の国際化プロセスが大幅に加速した。香港、シンガポール、ロンドンなどの人民元オフショアセンターは業務を絶えず拡大し、ますます重要な役割を担うようになった。人民元はオーストラリアドル、日本円と直接取引を開始している。中国は英国を含む20余りの国と地域と二国間通貨スワップ協定を締結している。

 中国人民銀行のデータによると、今年上半期のクロスボーダー人民元建て貿易決済額は2億500万元、クロスボーダー人民元建て直接投資決済額は1,835億元に上り、前年同期比の増加幅はいずれも60%を超えた。この数字は、人民元が貿易決済通貨、投資通貨、国際準備通貨の路線に沿って前進したことを示している。

 人民元の国際化は、中国経済の急成長と国際通貨システムのニーズが有機的に結び合った産物だと言える。一国の経済規模が大きくなるほど、その通貨が国際通貨となる可能性も増大する。中国は世界第二の経済大国、第二の貿易大国であり、外貨準備高は世界第一位となっている。これほど強大な経済大国の通貨である人民元が永遠に低調なままで、表舞台に出てこないことはあり得ないのだ。

 世界経済は調整の中で苦しく復興しており、世界経済のけん引役として中国の地位は、人民元国際化の促進剤と言える。国際通貨基金(IMF)のクリスティーヌ ラガルド総裁はかつて、改革の完了を前提に、人民元は国際準備通貨にならない理由はなく、中国経済の規模に釣り合う地位を獲得するだろうと語った。

 人民元の国際化の呼び声が一段と高まっているのは何故なのか。まず、人民元の国際化は対外貿易と投資活動に利便性をもたらすことができる。

 次に、人民元の国際化によって、中国は通貨発行益を取得するだけでなく、グローバルな金融活動において中国の発言権を強め、中国が地域及び国際通貨事務に対する影響力を拡大できる。

 グローバルな視点で見ると、米ドル主導の国際通貨システムは制度上の欠陥が多いが、人民元の国際化によって、国際通貨システムの多極化が促進され、国際準備通貨としての米ドルに対する各国の過度な依存が軽減され、国際金融システムの安定と世界経済の発展にとってメリットがある。

 一方で、人民元の国際化は、通貨主権の喪失、通貨リスクの増大等の挑戦とも隣り合わせとなる。このため、経済と金融の安定を維持しなければ、人民元の国際化プロセスで直面する難題を克服できない。

 人民元の国際化は依然として「子供の段階」にあり、「成人の段階」に成長するためのプロセスは、複雑で緩慢なものと予想されるが、中国経済の成長と国際通貨システムの変遷が人民元国際化の流れを形成してきた。さらには、成熟した金融市場と金融監督管理によって、人民元の国際化は条件が整えば自然と成就すると考えられる。

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