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中国銀行が米国で人民元取引始める 国際化へさらに踏み出す
2011年 1月 14日16:54 / 提供:新華網日本語

 【新華網北京1月14日】中国銀行はこのほどホームページで米国の顧客向けに人民元取引業務を始めたことを明らかにした。中国の国有大手銀行による米国での人民元取引は初めて。これについてアナリストは、人民元の完全な交換性実現に向かう中国監督管理層の考えが示されているとみている。  

 中国銀行ニューヨーク支店のホームページによると、企業と個人は同支店の口座を通じて人民元の売買ができる。米国の個人顧客の中国銀行での人民元への交換は一日最高4000ドルで、人民元から米ドルへの交換については制限がない。  

 HSBC大中華圏チーフエコノミストの屈宏斌氏は次のように指摘した。人民元の交換性実現は長期的すう勢で、カギは実施の時期と条件だ。実際のところ貿易取引で人民元の交換性は実現し、資本取引も半分以上で実現しているが、例えば外国直接投資(FDI)では資本市場だけ人民元の交換性実現にまだ多くの規制が残っている。  

 人民元の海外進出は香港で始まった。人民元業務が認められてから香港の人民元市場は急拡大している。  

 香港では人民元関連業務が急速に伸びており、人民元建て債券を機関投資家が盛んに購入し、人民元建て株式新規公開(IPO)も計画されている。  

 香港特区政府財政経済事務?公庫事務局の陳家強局長は12日、香港のオフショア人民元資金プールが初歩的規模を整え、役割を発揮し始めたと強調した。陳局長は同日、立法会議員の質問に答え、次のように説明した。昨年6月からのクロスボーダー取引の人民元建て決済範囲拡大で、香港の決済額が急増し、昨年上半期の月平均約40億元(1元=約13円)から8、9月は月約300億元になり、10月にはさらに680億元に増えた。  

 報道によると、香港証券取引所では今年第1四半期に長江実業集団が初の人民元建てIPOを予定している。  

 スタンダード・チャータード銀行の報告は、機関投資家は米ドルの「代替品」を積極的に探っており、準備通貨(基軸通貨)が増える可能性があり、それによって人民元が勝利者になるとしている。しかし、同行はまた人民元が国際主要準備通貨になる状況は今後20年間ないだろうが、人民元建て貿易決済の増加や人民元建て債券などの市場拡大によって地域的に使用され、それが完全国際化の重要なステップの一つになる可能性はあると指摘している。さらに人民元が相対的に値上がりするとの予想から同行は投資家に人民元資産の保有を提案している。

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