Home > ニュース > 経済IT  > 経済観察:中露が大型海運拠点を共同建設、北極海「黄金航路」構想の価値を高める
経済観察:中露が大型海運拠点を共同建設、北極海「黄金航路」構想の価値を高める
2014年 10月 14日15:30 / 提供:

 【新華社北京10月14日】中国とロシアはこのほど、ロシア極東地域に東北アジア最大の港湾となるザルビノ港を共同で建造することに合意した。専門家はこの動きは東北アジア地域の協力チャンネルの早急な建設にプラスになるだけでなく、ロシアによる北極海「黄金航路」の再始動の戦略構想と一致するとの見解を示している。

  今年5月に上海で開催されたアジア信頼醸成措置会議(CICA)で、吉林省はロシア最大の港湾管理会社スマグループとサルビノ万能型港を協力して建設する枠組み協定に調印した。その協定は吉林省琿春港から60キロ離れたこのサルビノ港をコンテナ輸送を中心とした国際貨物の重要港湾に建設すると計画した。

  スマグループのヴェノクノフ総裁はこのほど、次の内容を明らかにした。当該協力プロジェクトは既存の4つの港湾をベースに、12から15の港湾を新設する予定で、年間貨物取扱量は6,000万トンに増加する。プロジェクトの投資総額は約30億ドルに達する。

  ザルビノ港はロシア極東地域における天然の不凍港で、鉄道、車道及びロシア中央と吉林省琿春市とつないでいる。ザルビノ港では現在、主に吉林省、黒龍江省から運ばれる食糧、石炭、木材及び雑貨を中継輸送している。

  ザルビノ港の増設は、長期的に問題化していた吉林省からの貨物の海上輸送を解決するだけでなく、東北アジア地域の交通インフラ建設の推進にプラスとなり、地域間の貿易連携を緊密化する海上シルクロードの構築を促進する。

  「中国の東北地域が『一帯一路』と融合し、シベリア鉄道が開通し、陸上と海上を連動した貨物輸送ルートを確立することが最良の方法だ。この方向から、シルクロード経済ベルトを形成する両方の翼が同時に羽ばたくことができる。」吉林大学東北アジア研究院の于潇院長はこのような見方を示した。

  中国交通運輸部東海航海保障センターの王鶴荀主任の説明によると、北極海航路を利用すると、上海北側の港湾から欧州西部、北海、バルト海などの港湾まで、従来の航行距離と比べ25%から55%短縮されるという。

  ロシア運輸部の予測によれば、今後数年にかけて東北航路を経由する貨物量は急増し、2020年に東北航路の貨物輸送量は3,000万トンを超える。2030年には、アジアから欧州に輸送される貨物の25%が東北航路を利用するようになる。

(新華網日本語)

 当社サイトのコンテンツは著作権法によって保護されます。無断転用、複製、掲載、転載、営利目的の引用は禁じます。 

推薦記事: