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レポ金利引き下げで、中国の市場金利が全般的に低下へ
2014年 9月 20日16:18 / 提供:新華網日本語

  【新華社北京9月20日】先般、中国人民銀行(中央銀行)がレポ金利を引き下げたことは、金融緩和が進むという市場の予想を裏付けた。この措置は市場金利の下限を引き下げるシグナルを出し、資金調達コスト削減という2014年のマクロ調整政策の流れを引き継いだ。今後短期金利が低下傾向を辿る可能性が高まっており、中長期金利が低下する余地が生まれ、利回り低下に歯止めがかかると見られる。19日付中国証券報が伝えた。

  中央銀行が木曜日に実施した公開市場操作で、14日物オペの金利を3.5%とし、前日の3.7%から20ベーシスポイント引き下げた。7月末の操作再開後、14日物オペの金利は3.7%で安定していたことを考慮すると、今回の金利引き下げには特別な目的があることが分かる。

  四半期末という重要な時期を迎えており、中央銀行が日常的な金融政策を適度に調整するのも、不思議なことではない。特に銀行の流動性は9月下旬に、集中的な新株発行、銀行四半期末の指標達成、国慶節大型連休期間の現金集中引き出しなど数多くの試練を控えている。一方で、外貨流入や、公開市場の満期レポによる資金増加が限定的であることから、中央銀行による金融緩和は時間の問題となっている。

  中央銀行は、市場金利の重要な基準であるレポ金利を引き下げた。これは金利全体の低下を促し、資金調達コスト削減という、2014年に入ってからの中国政府のマクロ調整政策の流れを引き継いだ。

  債券市場の資金調達の金利には、短期金利が下がらず、中長期の金利が上がらないという特徴が見られる。短期金利と中長期金利の差が低いことは、中長期金利の一層の低下を妨げており、短期金利は市場金利の全般的な低下傾向の形成の要となっている。今回の中央銀行のレポ金利引き下げは、短期金利の低下につながり、市場金利の全般的な低下を阻む要因が取り除かれた。

  ここ数日間に、レポ金利、一部の短期債券金利は季節的·時期的な要素を受け大きな変動がなかったが、中長期債券の金利が低下を続けていることは、短期金利のさらなる低下が織り込まれていることが大きいと見られる。金融市場では、一部の同業種による積立定期預金の金利が低下している。「Shibor」(上海銀行間出し手金利)などの金利は今後3カ月に渡り低下する可能性が高い。これに伴う銀行の負債コストの減少は、市場金利全体に言わずと知れた影響を及ぼす。

  8月の経済データが予想を下回ったことから、中央銀行の今回のレポ金利引き下げは、さらなる金融緩和が始まったことを示している。特定金融機関向けのSLF(短期流動性ファシリティー)を実施という噂が真実ならば、中央銀行が短期間内に量と金利の手段をすべて使っていることから、今後の全面的な金融緩和の可能性は必然的に低くなる。