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AIIB、高速鉄道の東南アジア輸出を促進
2015年 4月 6日11:18 / 提供:チャイナネット

  中国製高速鉄道の海外進出に、新たに重大な進展があった。中国の王毅外相が3月28日、ボアオ·アジアフォーラムで発表した情報によると、中国とタイは高速鉄道共同建設協定を締結し、中国とラオスを結ぶ鉄道の建設が急ピッチで進められている。中国はさらに、シンガポール·マレーシア高速鉄道の入札に応札する意向を示した。

  建設が予定されている中国·タイ鉄道は、タイ北部のノンカイと南部の港マプタプットをつなぐ。総延長は800キロ以上に達し、タイ初の標準軌鉄道となる。中国の技術·標準·装備を全面的に採用し、時速は160キロから180キロに達する。

  PR Newswireの29日の報道によると、高速鉄道市場は近年発展を続けており、将来性も高いとされている。世界の高速鉄道市場の規模は、2013年の1023億ドルから2014年には1120億ドルに拡大し、2019年までに1334億ドルに達する見込みだ。世界の高速鉄道市場のうち、ASEAN諸国は中国·日本·フランス·ドイツなどの技術強国が激しい戦いを繰り広げる場所になっている。

  東南アジアでは、中国·タイ鉄道協力プロジェクトのほか、中国·ラオスの鉄道協力も積極的に進められている。すでに公表された計画によると、中国·ラオス高速鉄道は総延長420キロ、時速200キロ以内で、建設予算は約72億ドルを予定。竣工後、昆明からビエンチャンまではわずか2時間半となる。この鉄道はタイまで延長し、アジア横断鉄道網の重要な一部となる予定だ。

  シンガポール·マレーシア高速鉄道も現在、各国が落札を競う重点プロジェクトの一つとなっている。マレーシアのナジブ·ラザク首相とシンガポールのリー·シェンロン首相は昨年2月に会談した際、高速鉄道の共同建設で合意に至った。マレーシア財務省は、鉄道建設の担当業者を公開入札の形で選択する。総延長300キロ以上の同鉄道は、投資額120億ドルが予定され、列車の時速は350キロから450キロに達する。鉄道完成後、シンガポールとクアラルンプールの6時間の所要時間が、約90分に短縮される。中国鉄建や鉄道第三勘察設計院集団、南車青島四方によって組織された財団が現在、入札参加の意向をすでに明らかにしている。

  中国はなぜ東南アジアの鉄道建設への参加を希望しているのだろうか?同済大学のレール交通に詳しい孫章氏は、「中国はASEAN各国と21世紀海上シルクロードを共同建設しているが、東南アジアは『一帯一路』(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)のスタート地点であり、避けては通れない場所となっている。ユーラシア大陸を連結するレール交通網の建設強化は、地域経済の相互接続を促し、地域の幅広い協力の地縁環境にも有利に働くだろう」と指摘した。

  孫氏は、「日本は長期に渡り中国のアジア市場での主な競争相手であり、米日主導のアジア開発銀行という金融の強みも持っていた。だがアジアインフラ投資銀行(AIIB)ができて、状況は新たな変化を迎えている。これは少なくとも発展途上国間での相互往来を促し、東南アジア諸国のインフラ建設に寄与する」と述べた。

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