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日本のエネルギー戦略変更、中国封じ込めを強める可能性
2013年 10月 15日17:19 / 提供:人民網日本語版

 放射能漏れ問題に苦しむ日本は米国のシェールガス革命など国際エネルギー情勢の変化に従い、エネルギー戦略について「リバランス」とも言える大幅な変更を行っている。(文:馮昭奎・中国社会科学院日本研究所研究員。環球時報掲載)

 第1に「リバランス」は生産国から輸入国への一層の傾斜に現れている。明治維新以降、日本の工業化は主に国産の石炭に頼ってきた。1960年代になると中東からの石油輸入に急速に転換すると同時に、原子力の発展に着手した。「準国産エネルギー」として原子力発電の割合は高まり続けた。2011年の福島第1原発事故後、日本は50数基の原子炉全ての稼働を停止。天然ガス、石油、石炭の輸入を大幅に増加せざるを得ず、再びエネルギー輸入国となった。

 第2にエネルギー構成の天然ガスへの一層の傾斜だ。福島第1原発事故発生前から、すでに日本は世界最大の液化天然ガス輸入国だった。原発事故発生後、天然ガス輸入はさらに増加。日本は天然ガスを輸入エネルギーの第一の選択肢としており、2020年度には天然ガス火力発電所30基の稼働を始める計画だ。一方、同年度に稼働開始する石炭火力発電所は3基のみだ。

 第3に石油・天然ガス輸入先の中東から北米、オーストラリアへの傾斜、エネルギー輸送の重点ルートの太平洋航路への傾斜だ。現時点では日本は依然、中東の石油に大きく依存している。石油輸入全体に占める中東の割合は2012年は74.9%、2011年は87%だった。不安定な中東情勢による石油価格の高止まり、変動は日本のエネルギー安全保障にとって大きな脅威だ。米国のシェールガス革命の進展に伴い、天然ガス全体に占める安価なシェールガスの割合が急速に高まり、米国産天然ガスの価格は大幅に下がり、アジア産天然ガスよりもずっと安くなった。日本は2017年から米国産天然ガスを輸入する協定をすでに締結した。日本は中国からマラッカ海峡、中国の南中国海を経て日本にいたる「南方エネルギー輸送ライン」を引き続き利用すると同時に、「太平洋エネルギー輸送ライン」の利用とその航行の安全をより重視するようになっている。

 日増しに強まるエネルギー需給の結びつきによって日米豪関係はより緊密化し、太平洋エネルギー輸送ラインに対する中国海軍のいわゆる「脅威」への共同防備を強化し、中国海軍が第一列島線、第二列島線を突破して太平洋遠洋に進出するのを阻止するようになる。日米両国はまさに釣魚島(日本名・尖閣諸島)及びその周辺海域を中国海軍の太平洋進出を阻止する戦略上の要衝と位置づけ、中国封じ込めで連携する姿勢を一段と明確化し、権益を維持する中国の正当な行動に対する圧力を強めている。だが中国は増加し続けるエネルギー需要を満たすため、同様に米豪とのエネルギー協力を必要としている。日本は太平洋エネルギー輸送ラインが中日米豪共同の海上輸送ラインであるべきで、中国は太平洋エネルギー輸送ラインの安全の「維持者」であり「挑戦者」ではないことを認識すべきだ。

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