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G20首脳会議の3大議題
2011年 11月 3日8:52 / 提供:「人民網日本語版」

 フランス・カンヌで3、4の両日開催される20カ国・地域(G20)首脳会議(カンヌ・サミット)が世界経済の回復と成長、国際金融市場の安定維持に重要な影響を及ぼすことは間違いない。人民日報海外版が伝えた。

 ■世界経済の成長促進

 カンヌ・サミットの中心議題の1つは、世界経済情勢とその回復・成長だ。

 今年後半以降、米経済は成長力を欠き、欧州は債務危機の泥沼に陥り、新興経済国もインフレに悩まされ、世界経済の成長は徐々に減速している。カンヌ・サミットに先立ちG20財務相・中央銀行総裁会議が14、15の両日に開かれ、各国の共同歩調に基づく行動計画を首脳会議に提出することが決まった。行動計画は▽主要国は各々の国情に基づき、信頼回復と成長促進に向けた措置を講じるとともに、明確で信頼できる、具体的な財政再建策を実行する▽新興経済国は必要時にマクロ経済政策を調整し、経済成長を維持し、インフレ圧力を軽減し、資本流動への対応能力を強化する▽G20の全構成国は構造改革をさらに推し進め、潜在的成長率を掘り起こすとともに雇用を拡大する??としている。

 ■重大な経済・金融問題に焦点

 複雑な世界経済情勢を前に、カンヌ・サミットでは国際経済・金融分野の重大かつ差し迫った問題に焦点を合わせ、先進国の債務危機、保護貿易主義、世界経済ガバナンスへの適切な対応が話し合われるとアナリストは予測する。

 7月以来、欧州債務危機は悪化を続け、世界経済の成長にとって大きな脅威の1つとなっている。議長国フランスは9月に、欧州債務危機をカンヌ・サミットで取り上げ、合意形成を目指す方針を明らかにした。

 欧州首脳は最近、一連の債務危機解決策を打ち出した。ファンロンパイEU大統領とバローゾ欧州委員長は29日、G20構成国首脳に連名で書簡を送り、EUのまとめた債務危機対策の的確な実行を約束した。

 中国の崔天凱外務次官は「カンヌ・サミットでは引き続き保護貿易主義に断固反対すべきだ。世界経済の回復・成長における新興市場国や発展途上国の積極的な貢献を客観的に認識し、その発展に良好な外的環境を築かなければならない。国際通貨制度改革、世界経済ガンバナンス、大口商品価格問題のいずれにおいても新興市場国や発展途上国の意見を重視し、こうした国々の議席を増やし、発言権を高めなければならない」と強調した。

■国際通貨制度改革の推進

 2008年の世界金融危機以来、危機の再発を防ぐために、国際通貨制度の改革と金融監督の強化がG20首脳会議の重要議題となった。アナリストは、世界経済が多くの不確定要素を抱える中、こうした問題はカンヌ・サミットでも引き続き重要議題になると指摘する。

 先日のG20財務相・中央銀行総裁会議は、より安定した、よりリスク対応能力のある国際通貨制度を構築して、国際通貨基金(IMF)の監督機能と支援手段を一層整え、IMFが十分なリソースに基づき役割を発揮できるようにすることで合意した。また、引き続き金融部門改革を推し進め、システム上重要な金融機関(SIFIs)、影の銀行システム、店頭デリバティブ市場への監督を強化する方針を確認した。

 国際通貨制度改革についてアナリストは、現行の通貨バスケット基準を尊重した上で特別引出権(SDR)通貨バスケットの改革を行い、SDRの代表性、安定性、吸引力を高めるべきだと指摘する。

 金融監督について世論は、金融安定理事会(FSB)など国際組織や各国がG20首脳の合意に基づき、既定のタイムテーブルに沿って金融部門改革を着実に推進し、格付け機関への監督強化に関する改革をさらに推し進めることを歓迎している。