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三中全会決定を解読 4分野の投資に巨大な潜在力(下)
2013年 11月 21日16:16 / 提供:人民網日本語版

 第二に投資する価値のある分野は生態環境保護をめぐる産業だ。「決定」は第三者による整備の発展が必要であるとし、これまでのような汚染を出した者が汚染を処理するモデルから汚染を出した者が汚染の処理にかかる費用を支払うモデルへのバージョンアップをうち出した。これはバランスを取るための重要なメカニズムであり、基準を超えて汚染物質を放出する企業がこれまでのように抜け駆けすることを効果的に抑制するものとなる。今後の環境保護の市場化に向けた発展では、巨大な環境保護産業を育成することになる。たとえば脱硫?脱硝、除塵、水の汚染処理などの専門的技術が飛躍的な発展を遂げるとともに、相当な規模の税収と雇用を生み出すことになるとみられる。

 李副主任によると、今の中国がやるべきことは、循環型経済の発展に力を入れ、先進的な技術設備を採用し、省エネ、エネルギー消費の削減、汚染物質の排出削減、汚染処理を進め、汚染物質の排出を自然の浄化能力を超えない範囲に収め、(自然という)富を守り、増やしていくことだという。

 第三に投資する価値のある分野はサービス業、特に研究開発や物流などの生産型サービス業だ。李副主任によると、工業はサービス業の基礎であり、工業化のプロセスでは引き続き工業が経済を牽引する主導的なパワーになるので、「周辺化」させてはならない。そこで製造業のサービス化の戦略的な方向性を大いに推進し、製造業の主要製品をサービスの機能へと拡大し、アフターサービスから故障の診断、メンテナンス?修理、検査?チェック、遠隔サポート、オンライン店舗、更新・改良といった付加価値サービスや専門的サービスに至るまで、付加価値を高めていくことが必要だという。

 第四に投資する価値のある分野は輸入代替産業だ。鄭常務副理事長によると、現在、中国の年間輸入額は1兆ドルを超えており、輸入される製品の多くが国内で、より安いコストで生産できるものだ。現在の市場ニーズを背景として、企業がコストを抑えられれば、国内市場を占拠できるだけでなく、輸出も検討することができる。中でも最もわかりやすいのは石油や化学工業製品だ。中国は現在、年間で石油を2千億ドル分と化学工業製品を2千億ドル分、それぞれ輸入している。石油資源に乏しいとはいえ、現在の中国の石油製錬技術はかなり成熟したものであり、石炭の液化といった石油を輸入するよりもコストのかからないエネルギー産業を発展させることで、これを石油の輸入に換え、現在のエネルギー局面を変えられる可能性があるという。

 もう一つの代表的な輸入代替産業はチップ産業だ。鄭常務副理事長によると、中国では毎年2千億ドル近いチップを輸入しており、国内の企業による高精度のチップの研究開発と生産には今なお困難がつきまとうが、携帯電話用チップといった一般的なチップの設計・加工産業は発展に力を入れるだけの価値がある。韓国のサムスン電子を例に挙げると、ここ数年の同社は携帯用チップを成長源とみなし、中国の輸入額に相当する売上高を達成している。

 大豆栽培に関連した産業にも潜在力がある。中国は昨年に5千万トンを超える大豆を輸入し、主に大豆油と豆かすを製造した、実際のところ、中国には茶の実を搾ってつくる茶油などの植物性油脂の生産能力があり、その発展に力を入れれば、国内市場の需要を満たし、輸入に代わることができるようになる。新疆維吾爾(ウイグル)自治区の北部国境地域の伊犁や阿爾泰など、気候条件がふさわしく、休耕地が多い地域は、企業が進出して大豆を栽培し、関連産業を開発するのに最適な場所だといえる。

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