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H7N9型鳥インフルエンザウイルスが変異により薬剤耐性を持つ
2013年 5月 30日16:49 / 提供:新華網日本語

 【新華社ロンドン5月30日】英国の医学誌『ランセット』のウェブサイトに28日に掲載された中国人研究者の報告によると、個別の患者の体内でH7N9型鳥インフルエンザウイルスが変異し、変異したウイルスは一部に薬剤耐性を持つことが確認された。しかし、大部分の患者は、ウイルスワクチンを早期に投与することで良好な効果があるという。

 上海公共衛生臨床センターなどの機関の研究者の報告によると、同センターは今年4月4日から20日にかけて、治療を行ったH7N9型鳥インフルエンザ感染者14人に関する研究を実施した。これらの患者は、同センターに入院する前に、常規インフルエンザワクチンによる治療を2日以上にわたって受け、オセルタミビル、又はペラミビルなどのウイルスワクチンを服用していた。

 研究者は、重症患者3人は薬剤服用後も効果が見られず、うち2人は死亡し、もう1人は体外式膜型人工肺装置(ECMO)などの専門機器の補助のもとで生命を維持する必要があると説明している。研究者はまた、これらの患者の血清および尿サンプル中のウイルス量を検出し、ウイルスの遺伝子検査を行った。

 研究結果を通じて、これらの患者3人が感染したH7N9型鳥インフルエンザウイルスの一部の抗ウイルス剤に対する変異が確認された。このうち、1人の患者は感染後にウイルス変異が起こった可能性があり、治療との関連性はあるかと見られる。 一方で、この研究者は大部分の患者はオセルタミビルなどの抗ウイルス剤で治療を受けた後にいずれも高い効果があり、感染から48時間が経過した後に治療を受けた場合でも効果は同じだと指摘した。研究者は病院関係者に向けて、治療効果を高めるため、疑わしい症例や診断で確認された症例に対して早急に治療を行うように提言した。

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