「文化交流を通して相互理解を促進」=崔文洙氏
新日本フィルの創立40周年と日中国交正常化40周年を記念して、中国特別演奏会を前に、新日本フィルのソロ・コンサートマスター、務める崔文洙(チェ・ムンス)氏が、「日中関係にはいろいろな問題があるが、文化交流を通して相互理解を促進させたい」と挨拶した。その後、崔氏は熱心に大連のヴァイオリン・ファンに指導していた。
崔氏は3歳よりピアノ、6歳よりヴァイオリンを始め、篠崎功子、久保田良作、江藤俊哉の各氏に師事。桐朋学園子供のための音楽教室を経て、1983年桐朋学園大学ディプロマコース入学。在学中の翌年より1988年までの4年間、安田謙一郎弦楽四重奏団のメンバーとして活躍する。
1997年に日本に帰国。同年、小澤征爾氏に認められ新日本フィルハーモニー交響楽団コンサートマスターに就任。2000年、ソロ・コンサートマスターに就任。指揮者からの信頼は厚く、 国内の他オーケストラからゲストとしての招聘や兼任の要請、またサイトウ・キネン・フェスティバルにおいても度々コンサートマスターを務める。
熱心に大連のヴァイオリン・ファンに指導する崔文洙氏
新日本フィルハーモニー交響楽団においては楽団の更なる発展に向けて積極的に一役を担う一方で、ソリストとしても数々のコンチェルトを共演。世界的ヴィオラ奏者ユーリ・バシュメット氏とのブルッフ:「ドッペルコンチェルト」小澤征爾指揮 ベートーヴェン:「ヴァイオリンコンチェルト」(2003年)クリスティアン・アルミンク指揮 ブラームス:「ヴァイオリンコンチェルト」(2005年)世界的ヴァイオリン奏者イヴリー・ギトリス氏とバッハ:「二台ヴァイオリンの為のコンチェルト」(2007年)、NJP定期にてショスタコーヴィチ「ヴァイオリンコンチェルト第2番」等、長年ロシアに伝わるヴァイオリン・メソードの日本における唯一の伝承者としてまた、自発的な音楽表現から生み出される気品に満ちた芸術性は高く評価されている。
熱心に大連のヴァイオリン・ファンに指導する崔文洙氏
世界的チェリスト・指揮者である芸術家 故ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ氏との度重なる共演では「素晴らしいヴァイオリニストにして芸術家である」と称賛される。
続く
(章坤良 写真も)