新日本フィルの創立40周年と日中国交正常化40周年を記念して、大連で開かれる中国特別演奏会取材の合間を縫って、筆者は大連の町を歩き回ったりした。「北方の香港」を目指す大連のあちらこちらにビル建設のクレーンが見え、近代的なビルの建設ラッシュが浮き彫りとなった。
大連は遼寧省の南部に位置し、中国で2番目に大きな港町で、人口560万人を超える。大連はかつて青泥窪(チンニワ)と呼ばれる小さな漁村だった。現在のようになったのは、1894年に帝政ロシアが租借し、南満州鉄道の起点として港湾建設を始めてからで、街の名もロシア語のダーリニー(遠方の)に由来する。
近代的なビルの建設ラッシュ
100年前、極東にある大連で「東方のパリ」をつくりだすため、帝政ロシアからのフランス文明に耽るエンジニアはパリの設計図を持って大連に着いた。そこで生まれた数々の広場は大連の特色となった。
大連駅周辺で
現在も中国有数の対外貿易港として、その重要な役割を果たし、特に近年、経済技術開発区を設けて外国企業を誘致し始めてからは、急速に経済発展が進んでおり、中国のなかで最も成長率の高い都市の1つだといえるようだ。
大連港周辺で
1990年9月に全長375キロの中国一である瀋陽大連高速道路は開通し、中国の高速道路の建設と発展の為に固い基礎を打ち立てた。
公園でトランプを楽しむ市民ら
大連では、四方八方の道路をアクセスして、面積がさほど大きくない空き地でも「広場」と呼ばれている。市内の広場は80余りあり、初めて大連に来た人は方向が見分けられなくなってしまう。そこで「広場文化」も生まれてきた。緑地、ハト、彫塑と噴水から成る美しい景色や、全国唯一の女性騎馬巡査チームは有名である。
池に亀の放生を施す市民
大連市内の緑化率は41%。シンガポールのように、「花園の中の都市」と呼ばれている。2001年、大連市は「環境が優れた都市のトップ500」に名を連ねた。
テニスダンスを踊る市民
大連市内の植物園や児童公園などで大連市民がレジャーを楽しむ光景がよく目に入る。日光、海、砂浜、そして美しい女性たちが魅力的な大連は、中国で最もロマンチックで麗しい都市だ。
(章坤良 写真も)