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仙台を中心に宮城県が不死鳥のように復活(1)
2012年 8月 12日15:25 / 提供:

 2011年3月11日に起こった東日本大震災で福島県だけでなく、宮城県の仙台も甚大な津波被害を受けた。1年後の仙台はどうなっているのか?8月上旬、上海メディア代表団の一員として仙台を中心に宮城県のあちこちに足を運んでいた。

 仙台空港が完全復旧

 仙台空港に到着した当日、目に入ったのは、空港の1階で昨年の津波水没を受けた印しが高い柱に付けられていることだ。また、近くにある願い事を書き込む短冊のコーナーでは、「人類が平和でありますように!」、「家族全員の幸せに感謝!」などのことばもつづられていた。 

 関係筋によると、東日本大震災で甚大な津波被害を受けた仙台空港は関係者の一丸となった作業により、昨年9月25日、空港機能が全面復旧し、また震災後初の国際定期便が運航を再開した。大津波によるがれきが滑走路や旅客ターミナルビル1階に大量に流れ込み、電気室が被災するなどの大きな被害を受け、仙台空港は完全閉鎖された。自衛隊や米軍などによる車輌やがれき除去等の応急復旧作業が実施された。約1か月後、早くも国内線民航機(JAL・ANA)の運航が、一部再開され、当初は1日6往復された。

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中国語で書かれる歓迎の横断幕=仙台空港

 ターミナルビルが完全復旧するとともに、国際定期便(仙台-ソウル線)が再開された。また、仙台空港アクセス鉄道も10月1日に全線で運行が再開され、国際定期便はソウル線に続いて、10月2日にグアム線、10月30日に台北線が再開された。さらに、今年3月25日には仙台-上海-北京線が、同27日には仙台-大連-北京線が再開された。

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右から佐藤靖彦氏、樋口保氏、通訳さんの順=仙台空港

 同空港の一角で宮城県土木部空港臨空地域課、空港振興専門監の佐藤靖彦氏は、「昨年、震災後まもなく中国の温家宝首相らの震災地域での慰問活動に心が打たれた」と述べた。宮城県経済商工観光部観光課の樋口保氏は、「震災後の今日に至って、海外観光客が震災前の30%を回復した」と紹介し、「日本政府は宮城県を含め東北6県に旅行する中国人観光客を対象として、3年以内ならば何回でも訪日できる「数次査証(ビザ)」の発給に関する優遇施策を実施した」とより多くの中国観光客の宮城県訪問を呼びかけた。

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願い事を書き込む短冊のコーナー=仙台空港

 仙台空港は宮城県中南部の海に近い場所にあり、航空機で離着陸する際には広大な太平洋と仙台湾沿いに続く砂浜や防砂林の松林、南北に流れる貞山運河、そして奥羽山脈に抱かれた仙台平野と市街地のビル群が一望の下になる。

 名取市の北に隣接する仙台市のJR仙台駅へは北北西に直線で14kmほどで、空港連絡鉄道の仙台空港アクセス線により普通列車で24分(快速列車では17分)で結ばれている。滑走路は、開設時からある1,200mのA滑走路と新設された3,000mのB滑走路の2つがある。それぞれ方角が異なり、二つの滑走路が「y」の字型に交わる。

(章坤良 写真も) 

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