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根拠のないことばかりで冷戦思考を暴露 中国の専門家、新「防衛白書」で指摘
2011年 8月 8日15:02 / 提供:新華網日本語=中国通信社

  【新華社北京8月7日】「根拠のないことばかりで、冷戦思考を暴露―中国の専門家、日本の新版『防衛白書』の『中国脅威論』喧伝を読み解く」と題する記事を配信した。内容次の通り。  

 このところ、中国外務省、国防省が続けざまに日本の新版「防衛白書」について態度を表明、中国関連の内容に強い不満と断固たる反対を表明している。中国の専門家は、日本が根拠のないことを言って中国の発展を指弾していることは、その「ゼロサム・ゲーム」の冷戦思考と東アジア地域の「ソフト覇権」を維持する企てをすっかり暴露したものだとみている。  

 2日に発表されたこの2011年度「防衛白書」で、日本政府は「中国」を独立の1節で取り上げ、その中で中国の海上行動がたえず拡大し、常態化していると指摘、さらに中国の姿勢を「高圧的敵対的」と表現している。  

 日本のこの言葉は中国の強い不満をかった。3日夜、中国外務省の馬朝旭報道官は、白書は中国の国防整備についてあれこれ言い、無責任な論評を加えていると述べた。4日午前、中国国防省は「断固たる反対」を表明、白書の「中国関連の内容が『中国脅威論』を盛んに喧伝しているのは、下心をもったものだ」と述べた。

 専門家は次のようにみている。日本が白書を使って「中国脅威論」を喧伝するのは目新しいことではないが、今年の白書で、日本はこの動きを一歩大きく推し進めた。白書の中の一部の言葉づかいは、中国としてはまったく受け入れられない。  

 中国現代国際関係研究院の王珊?研究員は、次のようにみている。「海上の脅威」は今年の白書を使った、「中国脅威論」誇張、宣揚の主要な内容である。例えば、南中国海問題で、日本は言葉をふりまくことによって、周辺諸国の「中国の脅威」意識をあおり、中国と南中国海周辺諸国の競争を激化させ、南中国海問題を一段と拡大しようと考えている。  

 白書はさらに、「高圧的」という表現を明確に打ち出した。中国社会科学院日本研究所の高洪?副所長はこう分析する。「高圧」とは、覇権を背景にした、一方の側からの制限や抑圧のことである。中国には日本、米国特に米日同盟に対する「強権」は存在せず、隣国と敵対する考えもない。こうした言い方はまったく無責任なものだ。

 「昨年の船舶衝突事件後、釣魚島が『米日安保条約』の中に入れられたが、これこそ中国に対する『高圧的』姿勢にほかならない。日本の態度こそ居丈高だ」、中国社会科学院日本研究所の呂耀東研究員はこう述べた。  

 そして、中国は早くも2005年に白書「中国の平和的発展の道」を発表し、中国政府と中国人民による平和的発展の厳かな選択と約束を表明していると述べた。

 「日本は一方で『中国の脅威』を誇張し、一方で中国艦艇による宮古海峡通過などいわゆる具体的事例を引いて、周辺海域における中国の軍事的プレゼンスへの不安を表そうとしている。中国の行動は国際法に違反していないのに、日本の『精神的不適応症』がよく現れている」、国際関係学院の楊伯江教授はこう述べた。

 留意すべきは、日本がまた、中国の非軍事的、平和的な科学技術の発展についてあれこれ騒ぎ立てていることだ。 

 7月下旬、中国が開発した深海有人潜水艇「蛟竜」号が科学調査と試験の任務を終えて、中国は米国、日本などに次ぎ、深海潜水能力を備えた世界で5番目の国になった。高洪氏は、日本が白書で中国の平和のために使われるこの科学技術について「とやかく言い」、軍事的用途をもつものとみなしていることを紹介した。

 「中国がいつまでも貧しければ、日本の利益と期待にかなうとでもいうのか。中国は日本のよからぬ期待と願望に従って、進歩もせず、永遠に遅れていろとでもいうのか。これは完全に覇権主義の思考だ」、高氏はこう述べた。  

 さらに、日本のこうしたやり口は、その「ゼロサム?ゲーム」の冷戦思考を暴露し、東アジア地域におけるいわゆる『ソフト覇権』を続けたいという企てを反映し、中国の発展を自分に対する挑戦とみなしていると指摘した。  

 「日本の言論と無責任な観点について、中国は自らの主張と考え方を表明すべきで、また白書の後ろに隠された政治的企みを見抜かなければならない」、王珊氏はこう述べた。  

 呂耀東氏は次のように述べた。今回の白書は日米同盟を特に強調し、とりわけ日本の震災に対する米国の援助に重点的に触れている。日本は日米の同盟関係を通じて中国をけん制しようと考えており、この同盟自体、アジア各国に大きなプレッシャーを与えている。

 「責任ある大国になるには、周辺諸国と平等に話し合うべきで、まして他国のいわゆる『脅威』を勝手に喧伝してはならない。日本が国際社会で中国の『軍事的脅威』を盛んに喧伝することは、地域の安定にマイナスで、地域の安全保障情勢にとっても大きなマイナスになる」、呂氏はこう続けた。  

 専門家は次のようにみる。両国はすでに中日の戦略的互恵関係を築いている。中国は両国の共栄をはかることを希望しており、日本は自国の問題とりわけ国内問題を真剣に反省すべきで、根拠のないことを言いふらし、両国関係の将来についてむやみに推測してはならない。

 「われわれは日本が地域全体の平和と発展を妨げるような行為をすることを望んでいない。それは地域と中日関係のいずれにも大きなマイナスだ」、呂耀東氏はこう述べた。

 

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