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クリスマスは中国の若者の「友人節」になりつつある
2014年12月 26日9:28 乛 提供:新華網日本語

  【新華社太原12月25日】商売人は「ジングルベル」のクリスマスソングを流し続ければ、クリスマスの大売り出しセールがより一層、買い物客の心に響くと考えている。しかしながら、中国の多くの若者はそのために何かをするわけではない。多くの人は、中国の伝統的な祭日が一家団欒を重んじるのと異なり、クリスマスを代表とする「西洋の祭日」は、若者が友情を深める「友人節」になりつつある。

  「クリスマスは友人と一緒に街に出かけるけれど、見るだけで買わない。」山西省太原市在住の20歳過ぎの原媛さんは、大学時代から毎年、クリスマスは親しい友人とウインドーショッピングを楽しんでいる。買い物は二の次で、重要なことは友人と語り合い、楽しい時間を共有し、悩みを打ち明けることができることだ。「去年はクリスマスに友人と一晩ウインドーショッピングして、マスクを買っただけだったが、心から楽しんだ。」

  太原の繁華街柳巷の服装店を経営する陳さんは「クリスマスは見に来る客が多く、実際に買う客は少ない。売り上げは数年前に及ばず、一カ月前の『独身の日』と比べものにならない。」と語る。

  卒業後に中国の沿海都市、青島に住む田園芳さんは、デパートを散策するのではなく、「友人と一緒に家でトランプに興じる」ことを選んだ。田園芳さんはモバイルオンラインゲーム企業に勤務し、普段は仕事が多忙で、一カ月に26日以上、出張するときもある。「友人たちと同じ都市に住んでいるが、半年に1回も会えない。クリスマスはまさに絶好の機会で、友人を自宅に招いて食事を共にすることで、絆が深まる。」

  原媛さんと田園芳さんのように、クリスマスは中国の若者が友人、同僚との絆を深める機会になりつつあり、中国の伝統的な祭日と異なる。春節、清明節、中秋節などを代表とする中国の伝統的な祭日は、若者が家庭に目を向ける「一家団欒」を主題としている。

  このような状況のもとで、若者はしだいに舶来品の「西洋の祭日」に友情を強める機会を見出すようになった。中国では、クリスマスを過ごす大多数の人は、改革開放後の「80年代生まれ」、「90年代生まれ」の若者だ。これらの若い世代の多くは故郷を離れて学業に励んだ経験があり、その後はまた実家から遠く離れた都市で就業するケースが多い。新しい環境でいかにして友人と付き合い、友情を続かせるかということが彼らが直面する大きな課題と言える。

  山西省社会科学院社会学所の譚克倹副所長は、次のように述べた。新しい環境で知り合ったばかりの友人、同僚を前に、これらの若者は自身の友情を深める機会を持つ必要がある。商売人が盛り上げるクリスマスなどの「西洋の祭日」は、若者のこういったニーズを満たすものだ。「商戦の雰囲気が色濃くうわべには、若者の友誼と交流に対する切実な願いが見える。」


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