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中国国営テレビが14年ぶりに日本アニメを放送 その作品の魅力は?

2021年 3月 2日18:06 提供:東方網 編集者:範易成

  今年の春節期間、中国の国営テレビ中央電視台(CCTV)が14年ぶりに日本のアニメを放送開始し、ネットで話題になっている。日本のメディアは、アニメの放送は日中関係の改善の印かもしれないと報じた。

 そのアニメは日本の漫画家·清水茜の原作による『はたらく細胞』だ。酸素を全身に運ぶ赤血球や、ウイルスと闘う白血球など、さまざまな細胞を人体を守るキャラクターに擬人化し、病気と闘い、命を守るストーリーを展開している。

 『はたらく細胞』は清水茜のデビュー作で、2015年3月から『月刊少年シリウス』にて連載を始め、2018年にアニメが制作されると大人気を博した。

 この作品の第1期は2018年に中国動画サイトBilibiliで独占配信され、2021年2月までに2億回以上再生された。中国最大の書評·映画レビュー·コミュニティサイトである「豆瓣」では、10ポイント中8.9ポイントの高評価を得ている。作品に登場するキャラクターの血小板ちゃんはとても可愛らしいと大人気で、Bilibiliでは血小板ちゃんをめぐる2次創作も多数見られるほどだ。2019年には中国テレビ界で権威のある「白玉蘭賞」の最優秀脚本賞を受賞した。

 つまりこの作品はCCTVが放送する前からすでに中国で放送されて高い知名度があるが、今回これが特に話題になったのは、CCTVが14年ぶりに日本アニメを放送した点である。

 日本のメディアによると、中国では改革開放初期の1980年代は、各テレビ局がそろって日本のアニメを放送していた。『鉄腕アトム』や『一休さん』などが、中国の子どもの間で話題の中心だった時代もあった。しかし、その後、「自国のアニメ産業を育てるべきだ」といった意見が増え、日中関係の悪化などもあって、日本のアニメは徐々に中国のテレビから姿を消した。CCTVも2007年以降、日本のアニメを放送することはなくなり、その代わりに、『喜羊羊与灰太狼』『熊出没』などの中国国産のアニメが主流となった。

 日本のメディアは、今回の放送は新型コロナウイルスの流行で、社会全体が健康や感染症に対する関心が高くなったことが背景にあると指摘する。『はたらく細胞』は単なるアニメではなく、子どもたちに免疫や感染症予防の知識を教える教育的な役割もあるといわれる。

 今回の放送に関して中国のネットでは、「テレビで久しぶりに日本のアニメをみて感動した」「さすが日本のアニメ、描写が細かい」といったコメントが寄せられた。

 CCTVでの放送の好評を受け、同シリーズで初の劇場版アニメ『「はたらく細胞!!」最強の敵、再び。体の中は“腸”大騒ぎ!』もこのほど、中国で放映されることが決定した。作品はコミック第5巻のエピソードを基にしたアニメで、胃、小腸、大腸といった消化器官で巻き起こる新たな危機に細胞たちが立ち向かうストーリーだ。

(編集:f)