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学校休校で東京の子ども達はどこに行った?

2020年3月27日 10:25
 提供:東方網 編集者:範易成

(3月10日午後10時、東京·渋谷の交差点は、以前に比べては少ないが、相変わらず人が多かった)

  日本では2月27日に安倍晋三首相が、新型コロナウイルスの拡散を防ぐため、3月2日からの学校の休校要請を発表した。結局、自治体(都道府県、市町村ごとの自治体)ごとの判断となったが、大半の幼稚園、小学校、中学校、高校、大学が休校となった。なんの前触れも突如発表されたことで、子どもを持つ家庭や、学校側も大混乱となった。

  幼稚園が突然休みとなり、働いている親たちが困った。東京に住む私の従姉妹は、まだ未就学児(小学校に進んでいない年齢、いわゆる6歳未満の子ども達)を2人育てながら、看護師の仕事をしている。しかし、幼稚園が休みとなったため、同じく東京に住む親族に週3日、預けて世話をしてもらっていた。

  日本では3月に、学校の試験や卒業式が開かれる。多くの子ども達が、卒業式を中止、または出席者を生徒だけに限定した開催を余儀なくされた。

(3月14日、東京のゲームセンター。日曜日とあって、多くの子ども達が遊んでいた)

  一方、突然学校が休みとなったところで、子ども達が自宅で大人しくするわけではない。特に小学校、中学校、高校生たちは平日の昼間から、公園、カラオケ、ゲームセンターに集まるなど、逆に普段以上に人が多くなる場所もあった。


  また、自宅ですごすためにゲームが流行っているのか、コンビニの商品棚にはゲームコーナーが拡大したり、PS4やNintendo Switchやゲームソフトが売っている店には長蛇の列が出来ていた。

(3月20日、東京のゲーム店。外出を控える影響か、ゲーム機が売れているようだ。写真にある説明には「Nintendo Switch」の売り切れと人気ゲームソフトの売り切れを説明している)

(3月20日、ゲーム店では長蛇の列)

  そして、普段以上に思わぬ場所でも子ども達が増えていた。東京の自宅の近所にある銭湯(※)に日曜23時半頃に行くと、中学生か高校生と思われる8人組の男子たちがいた。この時間帯に、よくこの銭湯に来ているが、初めて見た光景だった。彼らは風呂から上がった後も、休憩所でだらだらと雑談やゲームをしていて、24時を超えた頃、男子の1人に電話がかかってきて「あ、やばい!親から電話がきた」と、一斉に帰っていった。銭湯の番台に立つ女将(おかみ、女性の店主みたいな意味)も「学校が休みになってから、増えたのよね〜」と話していた。これも“新型コロナウイルス”の影響余波だろう。 (※大衆浴場、上海の『小南国』『NewStar』『極楽湯』『大江戸温泉』を小規模にした、日本の街のどこにでもある)

(3月20日日曜日午後11時半、自宅近所にある銭湯にいくと中学生か高校生と思われる少年たちがいた。)

(中学生か高校生と思われる少年たちが、深夜にもかかわらず銭湯に来ていた。休みだったからかもしれない)

  翌月曜日の正午頃、自宅近くの公園を通りかかると、多くの小学生や中学生とみられる子ども達が遊んでいた。一部の高齢者や大人たちが「新型コロナウイルスの影響で、学校を休みしたのだから、家でおとなしくさせろ」とクレームの電話を入れたというニュースも度々報道されていた。しかし、元気があまっている子どもたちを家にとどめるのは、中国のような厳格の体制でも無い限り無理だろう。

(本来であれば学校の時間のはずだが、中学生と思われる女子たちが公園を歩いていた)

(中学生と思われる男子たちが楽しそうに公園で遊んでいた)

  公園の近くのゲームセンターを覗いてみると、やはり高校生たちが楽しく遊んでいた。まるで新型コロナウイルスの感染拡大は関係無いかのように。

(東京のゲームセンター。日曜日ではあるが、なぜか制服姿の男女高校生が遊んでいた)

  学校は休みだったが、子ども向けの塾は一時休止にしていたが、オンライン授業による再開や、教室での再開し始めている。また、少年野球チームの練習している姿も見かけた。たしかに、今の日本では多くのことが中止、休止となっていて、人通りの少なくなった場所もある。一方で、人が全くいないわけではない。ある程度の人が外に繰り出している。最近であれば、アメリカやヨーロッパでの混乱状況や、人気が無い街の様子のニュースを見ているだけに、不思議な感覚。前回も書いたが、今の日本の状況は、やはり中国人からすると心配に映るだろう。

  3月20日、安倍首相は会議を通じて、学校休校の延期を求めない方針とした。4月からの新学期は基本的には通常どおり始まる(一部の学校は始業式や入学式の日程を遅らせるが)。果たして、子ども達がいつも通り、日本の各地域で動き出すことで、新型コロナウイルスの感染にどんな影響が出るのか、不安の日々が続く。

(作者:大塚淳史 編集:f)