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京都大学で80年前の中国を写した「華北交通写真展」を開催

2019年 2月 15日17:53 提供:東方ネット 編集者:王笑陽

 京都大学総合博物館で13日、2018年度特別展「カメラが写した80年前の中国――京都大学人文科学研究所所蔵華北交通写真」が開幕した。4月14日まで開かれるこの展覧会は、「華北交通アーカイブ」というプロジェクトの仮想コレクションと連動しており、来場者は館内館外を問わず展示されている写真を閲覧することができる。

 プロジェクト「華北交通アーカイブ」は、戦時中、中国の北部を拠点とした日本の華北交通株式会社が広報用に撮った写真を、華北交通が事業を行っていた交通網とリンクさせて、写真のテーマや撮影地から華北交通の活動を明らかにする研究データベースである。12日には特別展に先立ち、「華北交通アーカイブ」の公式サイトに35000件あまりの古い写真が公開され、オープンデータとして利用できるようになった。

 このニュースは14日に中国にも伝わり、ソーシャルメディア「ウェイボー」で話題を集めた。「日本が3万あまりの侵華写真を公開」をキーワードとしてトピックスに上がり、「歴史を忘れてはいけない!」といったコメントが多く寄せられた。だが中には、「お疲れ様です。しかし、ほとんどの写真は中国の風景や民俗を写したもので、戦争の様子などにはちっとも触れていない。問題解決には意味がない」という声もあった。

展示会ポスター

 「華北交通アーカイブ」の公式サイトによると、「公開した3万5千点の写真には戦闘状況はほとんど描かれておらず、地域の交通インフラの整備、資源開発、産業の育成をはじめとして、風土、民俗、文物など多様かつ多彩なイメージが盛り込まれている」という。そして、研究者の目を通して見た場合、「この膨大なストックフォト全体を注意してみれば、80年近く前の中国の風景を読み取ることも可能」なのだ。

『孔子祭』(1938年3月、北京)華北交通アーカイブより

《船越部隊慰安会場ニテ》(1938年10月、新郷)華北交通アーカイブにより

 「華北交通アーカイブ」のサイトをよく見ると、すべての写真は撮影年月、撮影場所がタグによって分類されている。一部の写真には軍服を着た軍人の姿が写っているものの、風土、民俗、文物などが主なテーマであることは確かだ。写真の整理と展示方法はかなり工夫されている感じがする。

 また、華北交通アーカイブ作成の年表によると、「華北交通写真の予備調査」から「すべての写真のウェブ公開に踏み切る」まで、8年近くもかかったことが分かる。

 研究者たちの8年の努力と心血は決して「意味のないもの」ではない。華北交通株式会社は中国の北方を占領するために設置された会社であり、その存在自体、日本が中国を侵略したという史実をすでに証明している。中日の歴史を忘れてはいけないが、それと同時に中日の未来を考えなければならない。

 2018年は中日友好条約締結40周年だった。日本の安倍晋三首相も7年ぶりに中国を正式訪問した。中日双方の努力によって、このところ中日関係には比較的強い改善の勢いが見られる。このような背景を考えると、華北交通アーカイブの作成者、協力者たちの努力に対していっそう感謝の念を覚えざるを得ないだろう。

(編集:W)