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【中日双语专栏】ほにや、四国のよさこいを中国に届ける

2016年 5月 26日10:28 提供:東方ネット 編集者:範易成

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作者:莫邦富

 四国高知のよさこいといえば日本各地でずばぬけた知名度を誇り、東京では原宿表参道元氣祭スーパーよさこい、北海道札幌ではよさこいソーラン祭りが行われ、毎年祭りの時期になると、踊り子や観衆、ひいては町全体が興奮のるつぼに浸る。  

だが、かくも名高いよさこいは中国での知名度が意外と低い。  

 祭りで大賞や金賞を史上最多受賞している有名よさこいチームの名は「ほにや」といい、その数々の受賞歴から「金メダルチーム」とも呼ばれている。  

 実は、ほにやはよさこいを続けるために、個性に富むものづくり企業へと進化を遂げており、現在はオリジナルブランドの雑貨·衣装·バッグなどの商品を扱っている。商品デザインは和のテイストに富み、大きくあしらわれた牡丹柄がほにやブランドの特徴となっており、幅広い世代の女性に支持されている。  

 このため、ほにやは地方の一ブランドであるにもかかわらず、日本全国にその名を知られており、東京の大きなデパートでもしばしばほにやフェアが開催されている。たとえば、今年3月末にオープンした東急プラザ銀座は「銀座の新ランドマーク」と称され、出店を狙うも叶わなかったショップが多い。だが、ほにやは重要な地方ブランドとして東急プラザ銀座に手厚く迎え入れられ、フェアの会期も延長された。

 大阪高島屋では毎年ほにやのフェアが何度も開催されている。東京北千住のマルイではほにやの期間限定ショップが資生堂やSK2などといったワールドクラスのブランドの隣に開設され、重要視されていることを感じさせる。だが、オリジナリティあふれるブランド企業であるほにやもまた、よさこいと同様、中国では無名である。今年5月12日以前、中国のネット上では、ほにやのよさこいチームもブランドも検索にはかからなかった。

 だが、ここで奇跡が起きた。5月13日~16日、義烏市で開催された輸入品展示会にほにやがよさこいチームを連れて参加したところ、ただちにメディアや展示会入場者からの絶賛を浴び、鳳凰網·新浪網·浙江衛視·杭州電視台·浙江日報·義烏網など多くのメディアが熱心にとりあげたのである。4日後、中国で少なくとも1000万人がほにやの存在を知ったことになる。

 今回の件にはふたりの功労者がいる。ひとりは「雑貨の都」として誉れ高い浙江省義烏市商務局の王碧栄局長である。ほにやのことを知ってすぐ展示会に招くことを決め、開催までわずか1週間しかなかったにもかかわらず、なんとか策を講じてほにやのためにいいブースを用意し、ほにやの出展招致を成功に導く前提条件となった。

 もうひとりは、ほにやチームを率いる泉真弓さんである。泉さんはたった数日間で高知·九州·静岡·関西などから踊子を集めて緊急で遠征チームを組み、ほにやの商品とともに展示会に参加した。急な話だったため、参加スタッフのなかには中国に向かう当日の朝にパスポートを受け取った者もいた。もし受け取る時間が1時間遅かったら飛行機には間に合わなかった。

 4日前にほぼ無名だった状態から、4日後に少なくとも1000万人の注意を引いたことは、奇跡に近い真実の快挙だといえるだろう。このことは「人心斉、泰山移」(人々の心が一つになれば泰山を移すこともできる)という中国のことわざの真髄を改めて気付かせてくれる。すべては努力次第であり、志があれば最後には成し遂げることができるのである。

(日本語翻訳:広江祥子)