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青海チベット高原をゆく⑨-山南市砂漠化ガバナンスで多くの成果

2021年 7月 28日16:19 提供:中国国際放送局

  チベット自治区山南市ダナン県サムイェー鎮にある山南市砂漠化ガバナンス総合モデル区は、標高3550~3600メートルで、ヤルンツァンポ川の中流北岸に位置しています。河谷平坦地と山地移行帯であり、同自治区における深刻な砂漠化土地の集中分布区の一つです。流砂は山地から河原に至るまで上昇砂丘、網状砂丘、三日月状砂丘などの多形態で存在し、植物は少なく、生態環境が非常に脆弱な地域です。

  

  砂漠化改善前

  2005年に生態修復や植林活動などの措置を講じて以来、モデル区内の緑の面積は広がりつつあります。15年間の改善措置により、モデル区の流動砂丘面積は75%以上減少し、現在では4万8000ムー(約3200ヘクタール)の砂漠が緑化し、砂塵嵐の気候が著しく弱まり、6年連続で砂嵐の記録がないそうです。

  

  砂漠化改善後

  モデル区内では現在、クワ、サジー、クコの実、牡丹などの薬用、飼料用、観賞用、経済的価値を持つ砂固定植物の導入に成功し、また飼料用の価値を併せ持つムラサキモメンヅル、沙打旺(サダオウ)、花棒、チベット砂漠ヨモギなどの砂漠産業の開発に資する代替植物種質資源を提供しています。

  

  砂漠化改善後

  砂漠と共に地域経済も潤い、地域内の農牧民は、生態環境建設や砂漠ガバナンスの技術を学びながら、就職の機会も増やしています。現在、地域の農牧民の年平均所得はこの16年で約3倍になったそうです。 

  

  現在のヤルンツァンポ川保安林の様子

  林業草原生態プロジェクトの実施を通じて、林草植生の被覆度を効果的に高め、風砂の危害を抑制し、チベットの生態環境と観光環境を明らかに改善し、また黄砂荒漠を暮らしやすい環境に変えたことは、いわゆる「緑水・青山こそ金山・銀山(宝の山)」ではないでしょうか。

  

  現在のヤルンツァンポ川保安林の様子