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シャープが4年ぶりに中国復帰、三度目の正直なるか

2017年 8月 14日17:07 提供:新華網日本語

北京市宣武門付近の荘勝広場にある、シャープ携帯電話事業部のオフィス内の壁に、「初戦は決戦、初日から奮闘」「決戦前に勝負は決まった」という赤色の横断幕が掛かった。シャープ製携帯電話が中国に復帰してから3日目、この営業担当を中心とするオフィス内には張り詰めた空気が漂っていた。人々は慌ただしく働き、電話の音が後を絶たなかった。

シャープの「AQUOS S2」は10日時点で、ネット通販サイト「京東商城」の予約台数が十数万台に達したが、シャープの携帯電話事業を担当する羅忠生氏はこの成果について「満足していない、まだ余地は残されている」と話す。

シャープ製携帯電話は4年ぶりに中国に復帰した。

   中国で2度の敗戦

シャープには100年以上の歴史があり、家電、液晶、携帯電話などの事業を展開している。シャープは2000年に世界初のカメラ搭載型携帯電話「J-SH04」を、初の100万画素カメラ搭載携帯電話「J-SH53」を、2013年に世界初のベゼルレス携帯電話「EDGEST-302SH」を発売し、携帯電話事業で輝かしい革新の歴史を持つ。しかしシャープは中国市場に2回進出し、2回も撤退した。

最初の敗戦は2003年だった。当時はノキア、BIRD、モトローラ、ALCATELなどのブランドが好評を博していた。地場ブランドの台頭により、シャープはコストで不利になった。2005年には京セラやパナソニックなどの日本メーカーと共に、中国市場から撤退した。

スマート時代の席巻に伴い、フィーチャーフォン時代に栄華を誇ったシャープ製携帯電話は、アップルやサムスンなどの海外スマホメーカー、地場新興ブランドから猛攻を受けた。シャープは2012年に無錫市の携帯電話開発を担当するシャープ科技センターを閉鎖し、中国携帯電話事業の営業員のリストラを終え、2013年に再び中国から撤退した。

   フォックスコンの野心

フォックスコンは2016年にシャープ株の3分の2を3888億円で買収し、経営権を取得した。シャープはもはや中国ブランドだ。その初年度、シャープの赤字額は約250億円で、2015年度の10分の1のみに縮小した。

フォックスコンはシャープのテレビ 液晶パネル事業を復活させた。シャープ製携帯電話も中国に進出した。これはEMSのイメージを持つフォックスコンが、自主ブランドを樹立する重要な一歩とされた。

フォックスコンはシャープの前に、「富可視」という独自のブランドを持っていた。このブランドは中国市場に進出しておらず、主に世界のローエンド市場を攻めている。

フォックスコン副総裁、富智康集団執行役員、シャープ携帯電話事業部CEOの羅忠生氏は、独占インタビューで「フォックスコンは今年のシャープ製携帯電話の世界売上を数十億元にする計画を立てているが、全体的には投資を中心とする」と話した。

シャープは8月8日に新型携帯電話を発表した。しかし羅氏は「資源は競争の激しい携帯電話市場で重要だ。当社には資金、サプライチェーン、工場、それから誠意がある」と述べた。羅氏は2016年、フォックスコンの郭台銘会長からシャープ携帯電話事業部に招かれた当初、これを拒否した。1カ月以上も考えてから、ようやく応じた。羅氏はフォックスコンの携帯電話事業に取り組む誠意を目にし、中途半端に終わることではないと信じた。

   新たな試練

フルディスプレイ携帯電話は年中にまだ模索の段階にあり、真のフルディスプレイを実現するためには、指紋認証、受話器、カメラなどの設置の問題を解消しなければならない。フルディスプレイの視覚効果が、大きく割り引かれるからだ。

羅氏によると、理論上はステルス方式が最高の選択肢だが、技術的に成熟していない。そのため特殊カッティング、穿孔の改善が実際に選べる次の選択肢になっている。AQUOS S2の上部の中間にあるカメラはネット上で不評だが、この部分はシャープによって「美人尖」と名付けられている。羅氏も当初はこれが気に入らなかったが、評価後やはり同じ位置のままとした。羅氏は市場が不慣れであることを理解している。ユーザーの習慣を変えるのは困難だが、羅氏は「フルディスプレイに慣れれば、以前のディスプレイに戻ることはない」と明言した。

フルディスプレイにより、携帯メーカーはコストの試練を迎えた。フルディスプレイのコストは20 25%上昇する。AQUOS S2の京東商城における2499元という価格について、シャープと京東商城は「出血サービス」と称している。

フルディスプレイについては、さまざまな観点がある。コンサルティング会社 アクセンチュアの大中華区担当者は、経済観察報の記者に対して「フルディスプレイはゲームチェンジャーになり、市場の発展の流れを変えるとは限らない」と指摘した。分かりやすく言えば、これは携帯電話の進化 更新の一環に過ぎない。携帯電話の発展にとって最も重要なことは、過去の「ハード+ソフト」から生態システムへのモデルチェンジだ。設備を提供するにせよサービスを提供するにせよ、ユーザーの需要を最も良く把握できる企業が勝者になる。

2017年度第2四半期の世界スマホ出荷台数ランキングを見ると、上位5社が前年同期比でいずれも増加している。うち小米科技は58.9%増、OPPOは22.4%増、ファーウェイは19.6%増。サムスンとアップルは小幅増で、1.4%と1.5%。上位5社が73%の市場シェアを占めており、その他のブランドに残された市場の余地は23%のみとなっている。

「余地は残されている。携帯電話はまだ後半戦に入っていない」と羅氏は話した。

(チャイナネット)