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孔子が中日文化へ与えた特別な影響

2021年 9月 28日16:56 提供:東方網 編集者:曹俊

  中日両国は一衣帯水で、文化交流の歴史も長い。日本は中国文化の影響を強く受けており、中でも儒家思想の創始者の孔子は重要な一人だ。9月28日は孔子の誕生日で、今年は生誕2572年に当たる。 

儒家思想が日本へ伝播した四つの段階

  儒家思想が中国から日本に伝わったのには四つの段階がある。

  第1段階:3世紀末期、朝鮮半島の王仁が『論語』を日本に伝えた。隋唐以前、中日両国の文化交流は朝鮮半島を通じて展開していたが、隋唐以降になると海上シルクロードが確立したため、中日両国が直接交流できるようになった。日本統治者は儒家思想を重視したため、この段階は儒家思想が日本で発展し、根付いた時期にあたる。

  第2段階:隋唐後、日本の天皇は儒家思想が提唱する「仁、義、礼、智、信」を理解し、日本国内で改革を行った。遣唐使·遣隋使などを数回派遣し、中日文化で多方面の交流を行い、重要な架け橋とした。儒家思想も日本社会で広がっていった。 

佐賀県の多久聖廟

  第3段階:宋代以降。日本の徳川家は孔子の言論と書籍を世に広め、『論語』が日本の官学になったのもこの段階である。中日文化交流はより頻繁になり、儒家文化が日本の文化体系の一部となった。1868年の明治維新後、日本は資本主義の道を歩み始め、これに対応する近代天皇制度が確立する。1890年、明治天皇は『教育勅語』を発行したが、これには、「父母に孝行し、兄弟仲良くし、夫婦は調和よく協力しあい、友人は互いに信じ合い、慎み深く行動し、皆に博愛の手を広げ、学問を学び手に職を付け、知能を啓発して徳と才能を磨き上げ、世のため人のため進んで尽くし、いつも憲法を重んじ法律に従い」と書かかれていた。この時期、儒学の思想は日本社会の隅々まで広がった。 

東京の湯島聖堂

  最後の段階:第2次世界大戦から現在まで。1972年の中日国交正常化および1979年『中日文化交流協定』の調印などで、両国文化の交流はさらに盛んになっている。唐代以降、日本国内には孔子廟が東京の湯島聖堂、栃木県の足立学校、佐賀県の多久聖廟、長崎県の孔子廟など14ヶ所設けられた。孔子と儒家思想の日本に与えた影響がよくわかる。これらも中日文化交流の重要な帯になっている。


長崎県の孔子廟

儒家思想が日本へ与えた影響は特別

  儒家思想の影響はとても深い。まず、道徳の面からみれば、儒学が日本で盛んになったのは17~19世紀で、宋学、特に程朱理学、陸王心学の影響が大きい。この時期、儒家思想は統治者の正統思想の地位として確立し、国と社会の各方面の問題を儒学で説明することも試みられた。また、儒学は社会のその他の社会階層へも深い影響を及ぼし、中国の儒学というだけでなく、日本の現地文化と融合する儒学になった。「仁」についてみれば、中国儒学の十分な核心の思想は日本では有効的に伝播しなかったが、日本文化での「礼」が「仁」の変形的な存在となった。「礼」は日本では「仁」の外在の表現で、その核心精神が伝承している。また、日本の宮内庁によると、儒家学説の核心は「仁」で、最高の徳の意味だ。そのため天皇の名前には「仁」が用いられる。 

  また、日本文学にも影響を及ぼした。江戸時代以降、儒学は禅宗を離れ、日本文化の特徴ある新儒学になった。日本文学は天皇のイメージを作る有効的な措置として、大化改新時期に幅広く応用され、新しい文学の形になった。また、日本の社会環境へも潜在的な影響を与えた。たとえば、『平家物語』には儒家の忠·孝の倫理観が深く描かれており、これからも儒家思想が日本文学へ与えた影響が深いことが分かる。

  さらに、日本の教育分野にも儒学の影響が見て取れる。中国での儒学教育は多元的に発展した。大化改新時期、日本は中国の教育制度を借りて、儒教·仏教を備えた政策を出したが、これは当時の中国の教育態度と似ている。教育管理部門の設置においても日本は中国を模倣して大学寮を設けているが、これは中国の国子監の機能と似ており、国家教育を管理する価値を実現している。また、孔子は日本国学思想の基礎となって、日本の小中学生は『論語』、『詩経』、『文選』、『唐詩選』などを学び、関連する試験を受けることになっている。毎年春の入学試験の前になると、付近の孔子廟へは、理想的な学校に合格するようにと祈る多くの子供と保護者が訪れる。

  企業の経営にも影響を与えている。2013年、多久市の横尾俊彦市長は、新華網の記者の取材を受けて、日本儒学思想の核心は「誠」だと答えている。「誠」は「言」と「成」からなり、言葉を口から出したら、必ず実行する。「儲」は「信」と「者」からなり、信用のある人が儲けられるという意味だ。「誠」があるからこそ、日本は世界で最も多い百年の老舗がある国となっている。日本近代実業の父である渋澤栄一氏は、成功の道を「論語とそろばん」にまとめた。現代においても著名な経営者である稲盛和夫氏も、その経営哲学の重要な源は中国の儒家倫理と述べている。日本人は中国の古代思想から霊感を得て、世界経済の奇跡を創造したと言えよう。

(編集:曹 俊 写真:ネットから)