ようこそ、中国上海!
中医薬、世界へ広がる

Home >> 新着 >> 文化

8年間、中国と海外の博物館をめぐり文化財に命吹き込むカメラマン

2019年 7月 31日17:34 提供:中国国際放送局

博物館と文化財が好きで、文化財を至近距離から捉えた写真を鑑賞したいなら、動脈影さんの微博(ウェイボー)アカウントは決して見逃せない。中国新聞網が伝えた。

博物館カメラマンである動脈影さんには現在323万人ものフォロワーを抱えている。動脈影さんの写真をきっかけに博物館に行くようになり、文化財を愛するようになったという人も多い。新石器時代のトルコ石の腕輪、東晋時期のガラスの広口瓶、落ち着いた物腰でなめらかな質感の仏像、目を細めながらも威厳にあふれた将軍俑像といった動脈影さんの写真を見ていると、「文化財の精巧な細部には見過ごしていた美しさがこんなにたくさんあったのか!」と多くの人が驚嘆する。

たとえば彫塑の一部分や瓶の曲線など、人々が見落としがちな細部の素晴らしさを動脈影さんはしばしば捉え、職人たちが設計にこらした巧みな構想が彼の写真を通じて拡大され、ガラスケースの向こうに展示されている文化財がまるで一つの物語を語りかけてくるかのように感じさせてくれる。また写真には時々身近に感じさせてくれるようなキャプションが添えられており、文化財をたちまち活き活きとしたものに変えている。

故宮博物院や中国国家博物館、上海博物館、広東省博物館、四川博物院など、2011年から現在までに、動脈影さんは国内の国家級、省・直轄市・県級博物館100ヶ所以上のを撮影。さらにはメトロポリタン美術館や大英博物館など外国の博物館でも撮影を行っている。

このカメラマンはきっと博物館に勤めているか、金と暇を持て余して毎日あちこち旅行しているのだろうと考えるネットユーザーも多いが、本人は微博のトップに、「私は単なる博物館を愛する普通の旅行者にすぎない」と説明している。

実際、動脈影さんは武漢生まれの「85後(1985-1989年生まれ)」で、普段は証券会社に勤めている。仕事で出張の機会が多いので、毎回昼休みや仕事が終わった後の自由時間には、決まって現地の博物館を訪れているのだという。

2012年末、動脈影さんは陝西歴史博物館の「鴛鴦蓮瓣紋金碗」の写真をアップした。二層になったハスの花びらの形状、碗のなかに精密に彫刻された花芯、碗の外側と底に細やかに描かれたキツネやウサギ、キバノロ、シカ、オウム、オシドリなどの動物、華麗な唐草模様の装飾を捉えた写真は多くのネットユーザーに転載され、好評を博した。その後、動脈影さんは自分が博物館で撮影した写真を微博でよく発表するようになり、写真に引きつけられて、フォロワーの数もますます増えていった。

博物館で撮影をする場合、動脈影さんには普段特に決まりきった手順はない。何度も行ったりよく訪問したりする博物館についてはすっかり熟知しており、「ほかの人より細かい部分に注目しているんだろうと思う。だからよく見て、自分が引きつけられるところが見つかったらそれを撮っている」と話す。

Q&Aサイトの知乎に上げられた「文化財カメラマンの動脈影をどう評価するか?」という質問に対し、「いいね!」の数が多かった回答は「写真の撮り方が上手いというのも確かにあるが、彼を評価する主な理由は、博物館の文化財鑑賞を粘り強く続けていることだ」というものだった。

文化財の写真撮影で有名になったため、動脈影さんは多くの博物館からアプリや展覧会用の写真を撮ってもらえないかという依頼をよく受ける。今年1月には大同市博物館を訪ね、撮影した星空や大海原のような「北魏 藍色半球形玻璃泡」の写真は多くのネットユーザーから賞賛された。

今、文化財と人々との距離はますます近づき、博物館めぐりは新たなトレンドになっている。動脈影さんの写真には、「あなたの写真を見て、この博物館に行ってみた」というネットユーザーのコメントがよく寄せられる。ほかにも、「こんなにたくさんの素晴らしい文化財を見せてくれてありがとう」とコメントしている中学生ネットユーザーもいる。(編集AK)

「人民網日本語版」より