PC端末|中国語|English

社会

土壌微生物と農作物生産量に密接な関係 中国とスペインの研究者が発見

2020年10月24日 10:04
 提供:新華網日本語

中国科学院南京土壌研究所は22日、中国とスペインの研究者がこのほど、土壌中の鍵となる菌類が農作物の生産量と密接な関係にあることを発見したと明らかにした。これらの菌類を保つことで、施肥削減や増産が期待できることを示した。

研究を率いる同研究所の褚海燕(ちょ・かいえん)研究員は、農作物の生産量に影響を与える要因について、これまでは主に干ばつや洪水、霜害などの気象災害、化学肥料の使用や病害などと考えられてきたが、実際には土壌微生物も、農作物の成長過程で重要な役割を果たしていると説明した。

研究チームは今回、安徽省亳州(はくしゅう)市蒙城県の小麦試験農場のデータに基づき、土壌微生物と農作物の生産量との関係について体系的な研究を行った。

土壌サンプル中の細菌、真菌、線虫などの各種微生物を統計した結果、アゾトバクターやリン溶解菌、光合成細菌など、土壌中の鍵となる微生物や菌類が農作物の成長と密接な関係にあることを発見した。これらの微生物や菌類は、土壌中の炭素、窒素、リン、硫黄などの元素の循環を高め、小麦の養分吸収を促す。鍵となる微生物や菌類が十分に含まれた土壌サンプルでは、植物病原菌の潜在感染が著しく減少し、生産量も向上していた。

関係する研究成果はこのほど、生態学分野の学術誌「The ISME Journal」に掲載された。(記者/王珏玢)

当社のコンテンツは著作権法によって保護されます。無断転用、複製、掲載、転載、営利目的の引用は禁じます。