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クマの爪カフェが心の壁を打開 特別なバリスタによりよい自分と出会うチャンスを提供

2021年 12月 29日17:28 提供:東方網

  「あなたは接客で、私はコーヒー作りね」。上海南京西路梅龍鎮の伊勢丹広場B1にあるクマのつめカフェ(非日常カフェ)では、コーヒーを淹れる担当の陳瑩瑩と店舗の責任者である李佳が、声を出さなくても協力してコーヒーを作り、客に提供していた。 

  非日常カフェをよく知らない人は、このよきパートナーの一人である陳瑩瑩が無声のバリスタだとは分からないだろう。だが、彼女がかぶっている白い耳の帽子がその示しだ。

  2020年12月3日、最初の非日常カフェが永康路68号に正式にオープンした。「一つの壁の穴を通じて、ぬいぐるみの熊の爪で心を温めるコーヒーを渡す。クマの爪がお客様を癒し、お客様も店内の聴覚障害者カフェを癒してくれた」と、非日常カフェの最高管理者陳大可氏は述べた。そして1年後の11月29日、今度は壁のない「非日常カフェ」が梅龍鎮の伊勢丹広場に登場。クマの洞から姿を現した特別なバリスタが客と向き合うことになった。彼らはこれをどう考え、変化に対応しているのだろうか?このほど、東方網の記者がこの初の開放式店舗に赴き、話を聞いた。 

  カフェのバリスタ第1号の陳瑩瑩さんは、2019年第6回中国身障者キャリア大会コーヒーメークプロジェクトの優勝者だ。それまではデザインの仕事をしていて、人と触れるチャンスは少なかった。コーヒーが好きで作るのに興味を持ったので、バリスタになった。彼女は、「クマの洞」を埋めてオープンスペースの店を開くと聞き、スタッフになりたいと真っ先に申し込んだ。客は来店して、自分たちと交流し、簡単な手話で挨拶をしてくれる。このような交流が大きな自信をくれたからだ。彼女にとってクマの洞から外に出たのは、よりよい自分と出会うためでもあった。 

  店舗の責任者·李佳は、身障者バリスタとの交流をする中で、今は手話で陳瑩瑩と話ができるようになったという。「彼らと出会ったのは縁で、それを大切にしている。彼らが必要な時、私は必ず現れる。今は『クマのつめ』はないけれども『クマ』はいる。永康路で1年間の仕事をして、身障者のバリスタは自信を持つようになった。客と交流するとき、ジェスチャーや微笑みがあれば気まずい思いはほとんど解消してしまう。それに、無声バリスタが新しい仕事環境に溶け込めるように、最初に注文を受けた時は健常者のバリスタが手配して、無声バリスタと一緒に仕事をして安全感を与える。今、彼らは変化に適応して、私もいろいろ勉強して、相互に成長している。世界のもう一つの自分を見つけた」と述べた。 

  「最初、クマの洞を作ったのは彼らを守るためだったし、このような環境でスタッフに自信を植え付けるためだった。1年が過ぎて彼らに心の準備ができ、顧客に直面できるようになったので壁を取り払ったのだ」と陳大可氏は述べた。今、客は手話で彼らと交流したり、コーヒーカップに手で祝福の言葉を書いたりすることで、感謝を表している。

  陳氏によると、非日常カフェは上海に9店舗(3店舗が開放式)あり、20数人の身障者スタッフが働いている。今後は中国国内に100店舗を開設して、300名の身障者バリスタの就職を促すつもりだ。また、インターネットでの販売ルートを開拓し、海外市場への進出も計画している。海外の華人華僑と外国人は、中国公益ブランドのエネルギーと力をきっと理解してくれるだろうと期待している。

  (編集:曹 俊)