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「600号ギャラリー」:絵で精神障害者の心に近づく

2021年 9月 3日13:32 提供:東方網 編集者:範易成

 精神疾患と芸術にはつながりがあり、才能あふれる芸術家は一般の人々とは異なる精神世界を持っているに違いないと人々は感じている。では、実際の精神障害者が描いた作品は一体どうなのだろうか?「600号ギャラリー」に行けば、この問題に答えが出るかもしれない。

 600号ギャラリーという名前は「宛平南路600号」から来ている。これは上海市精神衛生センターの住所だが、実は、人々が精神科病院の住所を隠語や悪口にするのは珍しいことではない。その裏には精神疾患への偏見や忌諱、そして無知がある。「600号ギャラリー」という名前は、さらりとしたユーモアで精神疾患への既成概念を打ち破りたいという希望から付けられた。

 この600号ギャラリーは、上海市精神衛生センターが設立した中国初の院内ギャラリーだ。展示されているのはすべて精神障害者の作品だが、彼らは豊かな芸術の才能や表現力を持っていて、医師から「病人アーティスト」と呼ばれている。無意識からあふれ出た感性で描かれた絵画は、観た人の心の中まで突き通る。訪れた人は、これらの絵は創造性と想像力に満ちており、タイトルも詩的で非常に印象深いと述べた。

 600号ギャラリーの作品『ブラックホール』

 600号ギャラリーの作品『高山流水』

 今回のギャラリーを企画したのは、上海市精神衛生セーターの陳智民医師だ。陳医師は、このギャラリーを人々が精神疾患や精神障害者を理解する窓口になって欲しいと希望する。

 実は、心理学者、精神科医者などの専門家は、精神障害者が芸術を手段にして自分自身を表現することを強く勧めている。「芸術治療」は非薬物療法として学界でも受け入れられており、芸術治療を通じて患者の抑えた気持ちが解放され、癒されている。

しかし、「600号ギャラリー」が普通の芸術療法とやや異なる点は、病院が患者に芸術創造の環境を提供して、患者を本当のアーティストになるように支えているところだ。

 上海市精神衛生センターでは、「600号ギャラリー」を長期的な文化プログラムにしたいと考えている。今後、「600号ギャラリー」は社会福祉団体、美術館等と積極的に連携し、人々が精神障害者を理解するためのセミナーなど、様々な活動を開催していく予定だ。

(編集:k)