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三井住友海上(上海)の菅匡彦董事総経理:「上海スピード」の高い効率が外資を呼ぶ

2021年 8月 19日14:10 提供:東方網 編集者:範易成

  2020年春、上海市の多国籍企業地域本部の発展要求を受けて、日本三井住友海上火災保険株式会社(略称:三井住友海上)は上海市での地区本部設立の検討を開始した。それから1年足らずの2021年1月1日、美守安管理(上海)は静安区において営業を開始。美守安は三井住友海上が中国に設置した地域本部の代表としての役割を担う企業である。

 菅匡彦氏は現在、三井住友海上火災保険(中国)有限会社と美守安管理(上海)有限会社の2つの企業の董事·総経理を務め、「スマート貿易保険プラットフォーム」の建設も積極的に推進している。こうした地域本部設立やスマート貿易保険プラットフォームの建設を進める過程で、菅氏は上海の良好なビジネス環境、優れた行政効率と完備された法律システムなどに深く感じ入るものがあり、次のように語った。

 わずか半年で地域本部の設立完了 「上海スピード」に感銘

 三井住友海上は早い時期から中国市場を非常に重視しており、1981年に中国で総事務所を設立し、今年は40週年にあたる。

 2021年、三井住友海上は上海市の多国籍企業地域本部の発展要求に応じて、さらに中国·上海への投資を一層強化しようと、上海に地域本部を設立することを決定した。設立後は中国におけるグループ経営資源を有効的に活用し、グループ会社の発展を促進して、社会との共通価値を創造しながら、持続可能な発展を目指していく。

 菅匡彦氏は、「美守安の設立に際しては、上海市政府及び関連部署から非常に大きな支援を頂き、上海市の効率的なサービスと良好なビジネス環境に感銘を受けた」と述べた。

 昨年、コロナの流行で非常に大変な時期に、上海市政府、市人大、政協、対外友好協会、商務委、金融弁など部門の指導者は、何度も三井住友海上を訪れた。そして、様々なアドバイスをすると共に、企業の発展状況と要望を確認して会社新設を支援した。

 地域本部建設の正式な準備作業は昨年6月に始まったが、11月には登録手続きが完了し、わずか半年で全てのプロセスが完成した。さらに、上海市政府が「地域本部」を迅速に認定したことで、菅匡彦氏は「上海スピードと、市政府の外資投資に対する熱意を深く感じた」と述べた。

 今年1月15日、菅匡彦氏は上海市集中外資投資調印式に参加した。当日、静安区政府と美守安は戦略提携覚書に調印し、双方が協力してWin-Winの関係を構築していくことを確認した。

 知的や科学による保険イノベーション

 去年開催された第3回輸入博で、三井住友海上は「スマート貿易保険プラットフォーム」を展示した。プロジェクトがスタートしてからこれまでの2年足らずで、この革新的なプラットフォームはすでに多くの成果を上げた。

 紹介によると、「スマート貿易保険プラットフォーム」は2019年11月に上海保険取引所が先頭に立ち三井住友海上と上海億通国際社と共同で設立したもので、ブロックチェーン技術を用いてデータ連携を実現する外航貨物保険プラットフォームである。

 貿易データを自動的に取り込むことで保険手続のスマート化を実現する仕組みで、顧客に「迅速·便利·安心」な保険サービスを提供すると同時に、保険引受·理賠サービスのインテリジェント化も実現する。

 昨年11月にプラットフォームが完成後、三井住友海上はお客さまから、高い評価を得ている。同時に、中国三大保険会社との接続も完了し、同プラットフォームの本格的な運用も今年8月中旬にスタートする見込みだ。

 「以前は、お客さまが保険加入手続きを完了するのに2~3日かかっていたが、今はプラットフォームを通じて約3分で完了できるようになった」。

 菅匡彦氏は、「上海市政府の対外開放、グローバル化、イノベーションの理念、リーダーシップと執行力こそが最も重要な推進力になったと考えている。世界各国でもブロックチェーン技術を活用して、貿易業界の課題の解決を目指しているが、強力なリーダーシップがないとなかなか成功できない。そうした中で上海市政府の強力なリーダーシップによる、スマート貿易保険プラットフォームの構築はこの成功例である」と語った。

 上海に立脚して革新プロジェクトを推進

 菅匡彦氏は1997年、上海交通大学で半年間、語学研修を行った。「当時の華山路は一本道で、自転車が非常に多く走っていた。交通大学では、構内の宿泊施設に住み、学生と一緒に食堂で食事をして過ごした。非常に活気があり、今後、中国は日本を抜いて世界一となると強く確信した」と思い出を語った。

 1997年、2000年代、そして現在とこれまで3回中国に赴任した菅匡彦氏は、上海の日進月歩の変化を目の当たりにしてきた。だからこそ企業のリーダーとして中国·上海に積極的に投資を進め、今回の地域本部設立にまで至ったのである。この中では上海市の良好な経済環境と政府の良好なサービスを肌で感じてきたという。

 今年1月、三井住友海上はイノベーション部門を新設し、イノベーションの取組を加速させている。菅匡彦氏はこれを進める3つのキーワードを紹介した。

 1つ目はCSV(Creating Shared Value)、社会共通価値の創造で、企業活動の中で社会に共有される価値を創造する。2つ目は、DX、つまりデジタルトランスフォーメーションで、DXを活用してイノベーションに繋げる。3つめは、グローバル。「この3つのキーワードを軸にして、三井住友海上はイノベーションを進めていく」と述べた。

 そして、「今年は、十四次5カ年計画の初年度で、上海市のデジタルトランスフォーメーション、5つの中心建設が更に進歩する中、我々も引き続き上海政府との連携を強化し、新しい仕組み、新しい価値を創造していきたい。そうして上海、中国、更には世界に積極的な貢献ができるよう努めていく」と述べた。