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羅曼照明の孫凱君:光と歩み、光で都市の人々を温める

2021年 8月 19日10:07 提供:東方網 編集者:範易成

上海羅曼照明の会長兼ゼネラルマネージャー·孫凱君

 日が沈むにつれて浮かび上がる鮮やかなイルミネーションと夜景は、上海の絶景のひとつだ。外灘の夜景は1990年代以降、外国人観光客にとって見逃せない景色となっている。

 今年の6月30日から7月4日、黄浦江の両岸では「永遠に党に従う」をテーマに、中国共産党創立100周年を祝うライトショーが上演された。感動的な光のショーは上海市民と観光客に深い印象を残し、また無数の視聴者の目にも涙をもたらした。人々の歓声の中に、ショーを代表する一言がある――「これが上海だ!これがソフトパワーだ!」

 この数日前、黄浦江ライトショープロジェクトのスタッフで、上海羅曼照明の会長兼ゼネラルマネージャーである孫凱君は東方網の取材に応じて、ライトショーのデザインから実施までの舞台裏を紹介するとともに、彼女にとって忘れられない思い出の瞬間と目に見える都市景観照明の特別な意味を教えてくれた。

 ライトショーの舞台裏:人と都市の相互達成


黄浦江の両岸で行われた「永遠に党に従う」がテーマのライトショー

 今回のライトショーは、建物自体のライトアップをベースに、レーザーライトとビームライトを使用。そして、オーダーメイドの音楽と共に、芸術的アレンジを通じて実現したものだ。だがこのショーは、今年一気呵成に出来上がったものではない。実は今回のライトショーを担当した羅曼照明のチームは、2018年から2021年までの黄浦江沿いの景観照明改善プロジェクトにずっと携わっていた。「すべての建物の景観照明の設置と動作テストはこの数年で完成したものです。あとは音楽に合わせて光を踊らせることが今年の主なタスクでした」と孫凱君は語った。

羅曼照明自社開発のインテリジェント照明統合管理システム

 基本的な建物の景観照明を音楽に合わせると同時に、建物をショーの一部にするにはどうすればいいか? 陸家嘴の全体的な照明デザインを考える最初の段階で、羅曼のチームはライトショーの演出について検討を重ねた。「当時は建物をメディアスクリーンにする形式が人気でしたが、私は建物ごとに独自の特徴があると考えました。建物をライトアップする理由の一つは、建物を展示することです。建物をよく見せるためにはすべての光源を独自にコントロールする必要があります。そうすることによって建物それぞれの様々な魅力が表現され、建築の『閲読』が可能になるのです」と、孫凱君はデザイン本来の意図について語った。

 陸家嘴の中心部だけでも100近くの建物がある。これらの建物の照明は作られた年代も技術的手法もそれぞれだ。では、これら多くの「役者」を指揮に合わせて一斉に動かすにはどうすればいいのか。その秘訣は羅曼照明が自社開発したインテリジェント照明統合管理システムだ。羅曼のチームは今回、陸家嘴でパフォーマンスを行う中心のエリアに、照明パフォーマンスシステムを設置。コントロールセンターの照明コンソールやさまざまなサーバーマトリックス、およびソフトウェアシステムを用いて照明パフォーマンスの「ブレインセンター」を設けて、そこから建物にセットしたインテリジェント照明サーバーの「実行端末」に向けてミリ秒レベルで情報を送信する専用の回線ネットワークを構築した。監督の設計と音楽によって各建物の照明器具の点滅が繰り返しデバッグされて固定プログラムを形成し、それが「ブレインセンター」に保存される。そしてショーを行う時に、「ブレインセンター」が「実行端末」に時系列で動作指示を送信し、「実行端末」が高速に応答することで、ライトショーを完成するシステムだ。

「光のメッセンジャー」を守る最前線の警備スタッフ

 しかし、建物や外壁の素材がそれぞれ異なれば、照明の色温度もそれぞれ異なっている。最高のパフォーマンスを得るには、実験とデバッグを繰り返す必要があり、タイトな期限と重いタスクは、チームにとって当時の最大の困難だった。孫凱君は、「5月中旬から、ライトショーのデバッグを集中的に始めました」と、思い出を語った。「レーザー光のデバッグを例にとれば、私たちは午後11時から午前5時まで行いました。それは住民と企業に一定の程度の影響を及ぼしました」。しかし、上海の人々が見せたこのショーへの協力は、彼女を非常に感動させたという。そして、ショーの成功は、ショーの間中暗闇で警備を担当し、「光のメッセンジャー」を運行した最前線のスタッフとも切り離せない。「誰もが困難を乗り越えて、この仕事を完成させました。人と都市の相互達成こそがこの都市の品格なのです」と、孫凱君は感情を込めて述べた。


 上海の発展を感じ、上海と共に発展する

 16歳の時、孫凱君はニュージーランドへ留学した。そして2009年に留学を終え、故郷の上海に戻って羅曼照明に入社した。10年間留学していたことで、彼女は上海の急速な発展を見逃してしまった。「出国前、センチュリーアベニューの日時計の前で写真を撮ったのを覚えています。当時、センチュリーアベニューは車があまり通っていませんでしたが、今では双方向の8車線になっています」と、感慨深げに述べた。

外灘世界建築群のランドスケープライティング

 初めて景観照明業界に入った時の情景をはっきり覚えているという。「帰国後、私は外灘プロジェクトに加わりました。黄浦区で生まれ育ったので、この近くの街はほぼすべて分かっています。私にとってこのプロジェクトは、この街の発展と変化を再体験して感じる良い機会でもありました」。外灘の夜景照明の変化についても、孫凱君は自分の庭のようによく知っている。「1980年代後半に、上海は外灘と南京路の夜景照明プロジェクトを立ち上げ、これに我が社も参加しました。当時の夜景照明器具は白熱灯で作られていて、建物の輪郭を描き出すものでした」。1989年9月、当時の上海市長である朱鎔基が、「上海の夜を明るくしよう」と文書で指示する。そしてその年、外灘の世界建築群のランドスケープライティングに、ナトリウムランプなどの投光照明器具が導入された。輪郭を描くために使用された白熱灯と比べ、投光照明は建物本来の顔を尊重し、夜の方がかえって建物の昼間の形を復元するものとなった。2018年、黄浦江両岸の景観照明は集中的にアップグレードされ、すべてのナトリウムランプがLEDランプに置き換えられた。LEDランプは小さくて目立たない。また、調光も工夫し易いので、より様々な角度で世界建築展示群を展示することが可能となった。「今日、私たちが最も誇りに思っているのは、外灘が夜に美しいだけでなく、昼間も美しいということです。現在の景観照明は、夜に建物を照らすだけでなく、昼間の建物自体の美しさも考慮しているのです」。 


 都市景観照明は人々に美しさと温かさを与える

夜の外灘

 街のイメージを展示する重要な窓口として、ライトアップは街のコンセプトや文化を表現している。羅曼照明はこれまで20年余り、中華人民共和国建国70周年記念などの一連の景観照明改善プロジェクトに参加してきた。孫凱君にとって、都市景観照明には特別な意味がある。「まず、景観照明は都市の名刺であり、投資促進の象徴になっています。見て美しいだけでなく、都市の経済にも力を与えます。第二に、景観照明は都市の夜間経済活性化に役立ちます。この効果はコロナの流行後に特に顕著で、7月1日のライトショーを例にとると、黄浦江ツアーやレストランのチケットが初めて売り切れました。第三に、都市景観照明はこの街を展示する最高の舞台でもあります。今回は多くの若者がライトショーに来てくれたそうですが、ライトショーに感動した若者は、この街への愛情を感じるでしょうし、祖国をさらに愛するようなるでしょう。したがって、景観照明は次世代を教育し、街の精神を伝えるいいプラットフォームでもあります」と孫凱君は述べる。

 「上海はプラットフォームであると同時にステージでもあります」と、孫凱君は将来への期待を述べた。「『上海2035』は、優れた世界都市建設に向けた最初の提案です。黄浦江と蘇州江沿いの建設計画では、私たちに対して新たな要求もなされています」。最後に孫凱君は、「これからも我々は技術と文化の統合を促進し続けます。都市のマイクロリニューアルに取り組み、よりカラフルな夜景で人々と都市の共鳴を起こし、人々に幸福感を与えたいと思います」と語った。

(編集:Kitsu)