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専門書店の「小人書」、懐かしい連環画を売る

2021年 3月 5日16:26 提供:東方網 編集者:王笑陽

 上海の豫園商城に「小人書」という連環画(れんかんが)の専門書店がある。面積はわずか16平方メートル足らずだが、2000種類以上の連環画を集めて人気となっている。

 連環画とは物語を1ページ大の挿絵と見出し文で表現する掌サイズの絵本であり、中国における漫画の形式と考えてもよい。「小人書」とも呼ばれる。20世紀初頭から発行されて、80年代頃に最盛期を迎えた。しかしその後、娯楽が多様化するにつれて人気が衰え、今はすでに収蔵品となっている。

 「小人書」店主の王忠明さん(60歳)は、30歳から始めて、これまですでに10万冊以上の連環画を収集した愛好者だ。膨大な数の連環画を保存するために、わざわざ100平方メートルの空き家を借りて倉庫として使っているという。上海には王忠明さんのような連環画愛好者が数百人ほどいて、書店は愛好者たちの拠点ともなっている。

 最も貴重な連環画は、店内のガラスキャビネット内に展示されている。現在の販売価格が発行当時の数千倍になっているものもある。例えば、1972年に出版された『東郭先生』は、当時の価格は0.11元だったが、現在は400元以上する。また、有名な連環画作家の張令涛と胡若佛が描いた『朱痕記』の1956年の初版は、当時の価格は0.18元だったが現在は600元だ。そして店内で最も高いのは、1983年に発行された『東周列国故事』。全50冊のシリーズで、保存状態も良いので総額は1万元以上になるそうだ。

 開店前、王忠明さんは来店する客はほとんどがお年寄りだろうと予想していた。しかしオープンして見ると30代から50代の人が多かった。中には、60代の親に子供時代の記憶を思い出してもらおうと、総額1000元以上の連環画を買った若者もいたという。

 王忠明さんは、「この書店はただ本を売るだけではなく、文化を普及し、継承する場にもしたいです。お客様は本を買わないでただ見るだけでも構いません。私たちの子供時代の懐かしい『小人書』が消えないように」と語った。