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2020年コロナ禍の中国進出日系企業「落下から上昇へ」

2020年 12月 14日13:11 提供:東方網 編集者:範易成

  中国商務部のデータによると、2020年第3四半期における中国の実質外資使用額は7188.1億元で、前年同期比の5.2%増であった。中国の日本商会がこのほど発表した「中国経済と日本企業2020白書」によると、日本貿易振興機構(JETRO)が2019年8月~9月の在中日系企業に行った調査では、今後1~2年の事業発展について、43.2%の企業が事業規模を拡大すると回答し、50.6%の企業が「現状を維持する」と答えている。

  2020年は特別な一年であった。新型コロナウイルス、中米貿易摩擦、保護主義の台頭などによって、中国における日系企業の生産経営は不確実性に直面している。しかし、中国は国を挙げたコロナ対策によって、世界で唯一、感染拡大を抑えることに成功し、経済が急速に回復している経済体となっている。こうして中国にいる日系企業は、今年の不確実性の中でも挑戦に直面し、新たなチャンスを求めている。

  コロナ禍の中国市場のキーワードは「落下から上昇へ」

  年初の生産一時停止から2月の再稼働、そして中国の社会経済の全面回復まで、ほとんどの在中国日系企業は、この一年間で「落下から上昇へ」のプロセスを経験した。

  3月以降、ユニクロの大中華圏は予想以上のスピードで回復し、ネット通販も好調で、売り上げは二桁成長を達成。5月からユニクロ中国の店舗の売上高は前年同期の水準に回復した。

  4月に入ると中国は感染拡大を抑えて世界に先駆けて生産を再開。これを受けてキヤノンの中国での業務も徐々に回復してきた。2020年第3四半期の決算によると、今季のグループの売上高は7589億円で、去年と比べて12.7%減となり、第2四半期の前年同期比25.7%減と比べて明らかに好転した。

  資生堂中国の2020年第3四半期の売上高は1550億円で、日本市場を除く海外の第一位だった。中国市場のシェアは資生堂グループ全体の23.7%に達し、純利益は114億円となった。資生堂中国の大陸での第3四半期の高級化粧品の小売売上高は前年同期比で35%以上増加し、このうち高級化粧品の通信販売額は40%以上増加した。

  変化と新情勢を迎える

  2020年という特殊な年にあって、「変化」はどこにでも見られる。新型コロナウイルスの影響で世界のサプライチェーンの構造が激変し、消費者の習慣も大きく変化した。中国にいる日系企業にとっては変化と新情勢を受け入れることは重要な課題となり、多くの企業が新たなビジネスを開拓して新たな方向を定め、これによるチャンスを迎えている。

  突然の新型コロナウイルスに直面して、富士通はただちに中国市場に向けて全面的な事業継続計画(Business Continuity Plan、BCP)解決案を発表。テレワーク、情報セキュリティ、ツール導入などの各方面をカバーし、設計から使用までのワンストップサービスを提供した。

例えば、感染が拡大した時、富士通は世界的に有名な大手製薬企業に対して、社員食堂の人の流れと食事の状況を把握して人員の流れを分ける解決案を提案し、社員食堂の安全と秩序を確保した。この他にも日本の有名な自動車製造企業のコールセンターのデジタル化の改良に携わり、信頼できるAI技術に基づくオンライン自動応答システム導入をサポートした。

  消費者の健康と安全を求めるニーズに対し、パナソニックは三つの面で支援している。一つ目は独特な帯電微粒子水利用の「ナノイー」技術で、エアコン、空気清浄器、冷蔵庫、洗濯機などの製品に使われている。二つ目は空間除菌脱臭機「ジアイーノ」で、2月に武漢の医療施設に寄付された。これは8月から中国で現地生産も始まり、優れた除菌と消臭能力で医療施設や公共施設などに適用されている。そして最後は非接触型の設備で、センサー技術を便器、自動ドアなどに搭載し、接触がないことで伝染の発生も減少させる製品として注目されている。

(編集:f)