ようこそ、中国上海!
在上海多国籍企業職場復帰ケース

Home >> 新着 >> 上海

竹内亮監督「視聴者の鑑賞眼を侮るな」 稼げるドキュメンタリー監督になりたい

2020年 7月 31日12:36 提供:東方網 編集者:範易成

 中国南京市在住の日本人監督竹内亮が、29日、上海で行われている「第23回上海国際映画祭」の金爵フォーラムに出席した。竹内監督は『好久不見(お久しぶりです、武漢)』『南京におけるウイルスとの戦いの現場(中国語:『南京抗疫現場』)』などのドキュメンタリーで中国国内に広く知られ、話題となっている。竹内監督は東方網記者の取材を受け、「中国在住の日本人とドキュメンタリーの監督として武漢を取材し、世界に最も真実の武漢を知らせたいです」と述べた。

 上海について竹内監督は、2010年に日本のNHKが作成したドキュメンタリー『長江 天と地の大紀行』の監督を担当した時の思い出を話してくれた。彼と撮影チームは当時、長江の源から上海を目指して旅をした。撮影チームは1年の時間をかけて6300キロメートルを移動し、長江沿岸に暮らしている人々の日常生活を記録した。これをきっかけとして中国に住むことに決め、今年で7年になるという。

 2020年3月19日の時点で、すでに『私がここに住む理由』などの短編ドキュメンタリー作品200本を制作·発表してきた。これらはすべて10分前後の短い作品だ。大部分が日本で生活する中国人か、中国で生活する日本人を描いており、日本文化と日本語を学ぶ中国のネットユーザーの間で評判となっている。

 他の監督と違って、竹内監督はいつも自分のドキュメンタリーに登場する。彼は、「自分が顔を出して撮られる人と交流するともっと真実感が出ます。監督は普通、ビデオカメラの後ろで撮られる人と話をするが、そうするとリハーサルをしている感じになってしまいます。私は客観的に撮りたいので、直接画面に出て相手と交流するのです」と述べた。

 『お久しぶりです、武漢』は武漢市の封鎖が解除された後、そこに住む十人の物語を記録した作品だ。ドキュメンタリーの長さについて竹内監督は、「今の人はショートビデオが好きですが、たとえ100人、10人しかそのドキュメンタリーを見ないとしても私は長い映像作品を作りたい。そうしないとその素材を完全に表現できないし、自分のアピールしたいという願いも満足できません」と述べた。『お久しぶりです、武漢』の各プラットフォームでの再生総数は、すでに3000万回を超え、12カ国語に翻訳もされている。竹内監督は、「これは予想外です。だから視聴者の鑑賞眼を侮ってはいけません。人々が求めているのは質の高い映像です。時間の長さは関係ありません」と言う。

 しかし、ドキュメンタリーで金を稼ぐのは難しい。竹内監督は、「今日は映画祭のフォーラムに参加して、皆さんは真面目なことに関して討論していましたが、私は同業者にどうやって金を稼ぐのかを聞いてみたい」と述べた。そして自身が今やネット上の人気者になっていることをどう思うか、という質問に対しては、「おかげで宣伝が前よりやり易くなりました。でもドキュメンタリーだけではなかなか稼げないです。今後は有料ドキュメンタリーを撮りたいですが、金を出す人はいるのでしょうか。特にこの無料で動画を見られる時代に」と心配を述べた。

 竹内監督は現在、自分の影響力を生かしてライブコマースや講座を行っているという。さらにチームとしても新しいプラットフォームを立ち上げ、日本の芸能に関するニュースを集めていて、広告やスポンサーを募集している。

(実習編集:范応良)